血糖降下薬の選択と対応


血糖降下薬の選択と対応

血糖降下薬の選択とメトホルミン

日本でも第一選択はメトホルミン(商品名:メトグルコ)と考えられています。

 

血糖降下薬の選択の条件(2型糖尿病の第一選択)

  • 副作用が少ない(低血糖、体重増加など)
  • 空腹時高血糖だけでなく、食後高血糖も改善する
  • 心血管合併症を減らす根拠がある
  • 安価である
  • 服薬しやすい

 

日本では、次の系統の薬が頻繁に使用されています。

  • ビグアナイド薬
  • DPP-4阻害薬
  • SGLT2阻害薬
  • スルホニル尿素薬(SU薬)
  • 速効型インスリン分泌促進薬
  • チアゾリジン薬
  • α-グルコシダーゼ阻害薬
  • インスリン

 

DPP-4阻害薬は、心血管合併症を減らす根拠が不明であり、安価ではありません。
SGLT2阻害薬は、脱水や尿路感染症などの副作用があり、安価ではありません。
SU薬は、低血糖、体重増加の副作用、心血管合併症を減らす根拠の点から条件を満たしません。
チアゾリジン薬は、体重増加の副作用、心血管合併症を減らす根拠、安価でないため条件を満たしません。
αグルコシダーゼ阻害薬は、消化器系などの副作用が多く服薬しづらい特徴があり、安価ではありません。

 

この中で上記の条件をほぼ満たす薬は、ビグアナイド薬のメトホルミン(商品名:メトグルコ)だと考えられます。

 

 

 

メトホルミンの利点

  • 心血管死を減らす根拠がある(英米、中国人)
  • 単独では低血糖きたさない
  • 体重を増やさない
  • 食欲抑制作用がある
  • TG(トリグリセリド)やLDLコレステロールを下げる働きがある
  • 安価である
  • がん抑制作用に注目されている

 

ADA、EASD(欧州糖尿病協会)による共同声明(2015年)では、薬剤を選択する場合には有用性(HbA1cの低下レベル)、低血糖のリスク、体重への影響、主要な副作用、費用の観点から選択するとし、「禁忌でない限り第一選択薬はメトホルミンである」と明記されています。

 

メトホルミンの副作用
メトホルミンの重大な副作用に乳酸アシドーシスがあります。乳酸アシドーシスは、血中の乳酸が異常に増えて血液が酸性になる危険な状態です。しかし、その発症頻度は「10万例あたり1.9〜3例(年間)」と多くはありません。

 

禁忌の方(心不全、腎不全、肝不全、呼吸不全、大量のアルコール飲酒者、全身感染症)に使用しなければ、比較的安全だと考えられます。他には、胃腸症状(悪心、嘔吐、食欲不振、下痢、腹部膨満感など)があります。

 

防止するためには、1日500mgなどの少量から徐々に増やしていくと良いとされます。

血糖コントロールと対応

血糖コントロールが不良でない方への対応(HbA1cが7.9%以下)
通常、食事療法運動療法で2〜3ヶ月程度治療する。食後高血糖が続く場合には、禁忌でなければメトホルミンを使用します。

 

空腹時血糖値が140mg/dL以上、食後2時間血糖値が200mg/dL以上、HbA1cが7.0%以上が続く場合には、薬の増量、変更、併用の必要があります。また当然ですが、血圧、脂質(コレステロール)、体重のコントロール、禁煙も重要です。

 

 

血糖コントロールが不良な方(※)への対応
通常、血糖コントロールが不良な場合には、食事療法・運動療法と同時に薬(経口血糖降下薬)を開始します。ただし、進行した糖尿病網膜症(増殖前網膜症網膜症、増殖網膜症)がある場合には、血糖コントロールの急激な改善は網膜症を悪化させる危険があります。

 

進行した網膜症がある場合には、ビグアナイド薬・DPP-4阻害薬などの低血糖を起こさない薬を使用し、数ヶ月かけて血糖値を改善させるようにします。糖尿病の治療薬を使用する前に、眼科を受診し眼底検査をしてもらいましょう。

 

※血糖コントロール不良とは、以下のいずれかを指します。
・空腹時血糖値が160mg/dL以上
・食後2時間血糖値が220mg/dL以上
・HbA1cが8.0%以上

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