エボラ出血熱の基礎知識と最新情報


エボラ出血熱の基礎知識と最新情報

エボラ出血熱の基礎知識

2014年3月以降、西アフリカを中心に流行している「エボラ出血熱」。
その感染者数はギニア、リベリア、マリ、シエラレオネ、スペイン、米国、ナイジェリア、セネガルの8カ国で計1万9,031人(疑い例を含む)、死者数は7,373人に上ります。(2014年12月17日 WHO発表)
全世界を恐怖に陥れた「エボラ出血熱」とは、どのような病気なのか解説いたします。ページの下部に日本発の新薬「アビガン錠」の最新情報を記載しております。(最終更新:2015.2.25)

 

 

【エボラ出血熱の特徴】
エボラ出血熱は、エボラウイルス(フィロウイルス科)による熱性疾患です。エボラウイルスに感染すると2~21日(通常は7~10日)の潜伏期の後、エボラ出血熱を発症します。潜伏期とは、からだの中でウイルスが増えている状態であり、体調不良等の症状は起こりません。この間に、からだの免疫システムはエボラウイルスと戦いをはじめます。エボラ出血熱を発症すると、突然の発熱、頭痛、倦怠感、筋肉痛、咽頭痛等の症状が起こります。次いで、嘔吐、下痢、胸部痛、出血(吐血、下血)等の症状が現れます。
感染したときの致死率は50から90%※と非常に高く、1から5類まである「拡大を防止すべき危険な感染症」の中で、最も危険な1類感染症に分類されております。(感染症法)
※ザイール型では致死率は約90%、スーダン型では致死率は約50%

 

「エボラ出血熱」をアニメーション解説  Ebola virus

 

 

【エボラ出血熱の感染】
エボラウイルスに感染し、症状が出ている患者の体液等(血液、分泌物、吐物・排泄物)や患者の体液等に汚染された物質(注射針など)に十分な防護なしに触れた際、ウイルスが傷口や粘膜から侵入することで感染します。一般的に、症状のない患者からは感染しません。空気感染はないが、飛沫感染は否定できないと言われています。
また、流行地では、エボラウイルスに感染した野生動物(オオコウモリ(果実を餌とする大型コウモリ)、サル、アンテロープ(ウシ科の動物)等)の死体やその生肉(ブッシュミート)に直接触れた人がエボラウイルスに感染することで、自然界から人間社会にエボラウイルスが持ち込まれていると考えられています。
なお、WHO(世界保健機関)は、流行地でエボラ出血熱に感染するリスクが高い集団を、

  • 医療従事者
  • 患者の家族・近親者
  • 埋葬時の葬式の一環として遺体に触れる参列者
  • 熱帯雨林で動物の死体に直接触れる狩猟者

としています。
エボラ出血熱は、咳やくしゃみを介してヒトからヒトに感染するインフルエンザ等の疾患とは異なり、簡単にヒトからヒトに伝播する病気ではありません。病気に関する知識を持ち、しっかりした対策をねることで感染を防ぐことができます。

 

 

【エボラ出血熱感染地域】
1970年以降、中央アフリカ諸国(コンゴ民主共和国、スーダン、コンゴ共和国、ウガンダ、ガボン等)で、しばしば流行が確認されています。西アフリカでの流行が確認されたのは、今回が初めてです。
 なお、流行状況に関する最新の情報は、WHO(世界保健機関)の Disease Outbreak News のサイト(英語)(http://www.who.int/csr/don/en/)でみることができます。

 

 

【日本での水際対策】
検疫所のホームページや空港等におけるポスターの掲示を通じて、流行地域への渡航者や帰国者に対する注意喚起を行っています。万一、流行地域からの帰国者でエボラウイルスへの感染が疑われる方がいた場合、感染症指定医療機関に搬送するなどの対策を取れるよう、体制が整備されています。

 

参考:感染症指定医療機関の指定状況(平成27年4月1日現在)
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou15/02-02.html

 

もし流行国に渡航し帰国した後、1か月程度の間に、発熱した場合には、万一の場合を疑い、
地域の医療機関を受診することは控えていただき、まず、保健所に連絡をし、その指示に従ってください。

 

 

【流行地域への旅行】
現在(平成26年8月7日時点)、WHOは、ギニア・シエラレオネ・リベリアについて、いかなる渡航制限も勧告していませんが、日本の外務省は、この3か国について、「渡航の是非を検討して下さい。」と危険情報を発生しています。(治安等の関係で、渡航の延期が推奨されている地域もあります。)
渡航する必要がある場合は、渡航前に、厚生労働省検疫所や外務省の海外安全情報のホームページなどで現地の流行状況等、最新情報を確認して下さい。また、流行地域では、基本的な衛生対策(手を洗う、病人・動物との接触を避けるなど)を確実に行い、エボラ出血熱を含め、様々な感染症にかからないよう注意して下さい。

 

参考
厚生労働省検疫所ホームページ http://www.forth.go.jp/
外務省 海外安全情報ホームページ http://www.anzen.mofa.go.jp/

 

 

【エボラ出血熱の治療】
アビガン錠200mg」(一般名:ファビピラビル、以下「アビガン錠」)が、エボラ出血熱対策として海外で注目されています。アビガン錠は、平成26年3月に富士フイルムグループの富山化学工業がインフルエンザ治療薬として開発しました。

 

2015年2月24日、富士フイルム株式会社(社長:中嶋 成博)が、ギニアでの臨床試験の中間報告を発表しました。治療開始時のエボラウイルス量が中程度から高い患者群において、栄養や水分を補給する治療法(約3ヶ月)での治療結果と比べて、死亡率が半減(30%→15%)したという有望な結果でした。

 

しかし、エボラウイルスが非常に高い患者群では、「アビガン錠」投与による死亡率減少はみられませんでした。(来所時81%に高度の腎機能障害が認められていた。)また、薬の使用による有害事象は観察されませんでした。

 

2016年3月4日更新
フランス国立保健医療研究所などのチームは、アビガン錠による有効性について、結果が得られなかったと発表しました。この臨床試験は、2014年12月から約100名を対象に行いましたが、倫理的な観点からすべての患者にアビガン錠を投与していました。

 

一般的な臨床試験であれば、投与するグループと投与しないグループを作り、比較して試験を行います。このような厳密な評価方法であれば、結果は変わったかもしれません。

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