高尿酸血症・痛風とは
高尿酸血症とは、血液中に溶けた尿酸の量を表す「血清尿酸値」が7.0mg/dLをを超えた状態をいいます。痛風による関節炎や腎臓の障害の原因であるため、注意が必要です。女性においては、血清尿酸値が7.0mg/dL以下であっても、生活習慣病の危険性が高まるため、より注意が必要です。
基本的に、「体内では毎日、同じ量の尿酸が産出され、体外に排泄される」ので、尿酸の量は一定に保たれています。しかし、なんらかの原因で産出と排泄のバランスが崩れると、尿酸が増えすぎて高尿酸血症になってしまいます。高尿酸血症には、尿酸が作られすぎる「産出過剰型」、排泄されにくい「尿酸排泄低下型」、作られすぎるうえに排泄されにくい「混合型」の3つがあります。
血清尿酸値が7.0mg/dLを超えると、高くなるに従って痛風関節炎のリスクが高まります。痛風関節炎は、足の親指の付け根(約7割)、アキレス腱、足の甲、かかと、くるぶし、足の関節、膝、肘、手首、指などに発症しやすく、強い痛みと腫れがおこります。
また、高尿酸血症をそのままにしておくと、尿酸の結晶が腎臓にたまり、腎障害(慢性腎臓病)、尿管結石などの合併症を招く原因となります。脂質異常症、糖尿病、高血圧などの生活習慣病を合併することが多いことがわかっています。
【高尿酸血症の治療】
生活習慣を改善する | 具体例 |
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食事 |
プリン体の摂取を抑える。 |
アルコール摂取の制限 |
日本酒1合、ビール500ml、ウイスキーダブル一杯が目安。 |
運動 |
週3回、1日20分以上の有酸素運動を習慣にする。 |
その他 |
ストレス解消をする。 |
食品中のプリン体含有量 一覧表(PDF) (外部サイトへリンク)
一般的に、痛風などの症状がある人は血清尿酸値が7.0ml/dL以上、痛風などの症状がない無症候性高尿酸値の人のうち糖尿病、高血圧などの合併症がある人は血清尿酸値8.0mg/dL以上、合併症がない人は9.0mg/dL以上で薬を使った治療(薬物療法)をします。
薬物療法 | 詳細 |
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尿酸生成抑制薬 |
尿酸が体内で作られるのを抑える薬。尿酸産生過剰型の人や尿酸排泄低下型の人でも、尿路結石や重い腎機能障害を合併している場合に服用する。 |
尿酸排泄促進薬 |
尿酸を体の外へ出しやすくする薬。尿酸排泄低下型の人が服用する。ただし、尿路結石や重い腎機能障害を合併している場合は、それらの症状が悪化する可能性があるので使用できない。 |
アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB) |
血圧を下げるために使用される「ロサルタンカリウム(ニューロタンなど)は、腎臓の尿細管にある尿酸トランスポーター(URAT1)の作用を阻害し、血清尿酸値を平均0.7mg/dL低下させる。 |