熱中症と脱水症状の関係


熱中症と脱水症状の関係

熱中症と脱水症状の関係

夏になると汗をかく機会が増え、脱水症や熱中症の危険が増えます。脱水症を放置すると、熱中症の危険な症状がおこってしまいます。脱水症の正しい知識をみにつけ、健康維持に役立てましょう。

人のからだと体液(水分)

人の体液(水分)は、筋肉によって保持されます。脂肪の多い人はからだの中の体液が少ないのです。体液は、汗による体温調節、栄養素や酸素を運ぶ、老廃物を運ぶなどの重要な働きをしています。通常、からだに入ってくる水分(代謝水、食べもの、飲みもの)と、からだから出ていく水分(尿、便、汗、不感蒸泄)は、ほぼ同量です。

 

不感蒸泄とは、皮膚や気道から蒸散する水分をさします。汗のように自覚するものを除きます。大人の不感蒸泄は、1日あたり「体重×15(mL)」と計算されます。つまり、体重50kgの成人は1日で750mLの水分が、無自覚のうちに失われます。これらは体温や気温によっても変化します。
不感蒸泄の量の目安
成人=体重×15(mL)
幼児=体重×30~40(mL)
乳幼児=体重×50(mL)
新生児=体重×15~25(mL)

脱水症と体液の減少

水分塩分(電解質)が失われた状態が脱水症です。脱水状態では、血管と細胞の間で栄養素や酸素の往来ができにくくなり、老廃物が蓄積してしまいます。体重50kgの方を例に、脱水の重症度を以下に示します。

 

重症度(体重50kgの場合)
軽度…体重が3~5%(1.5~2.5kg)減少
中等度…体重が6~9%(3~4.5kg)減少
重症…体重が10%(5.0kg)減少
かくれ脱水…体重が1~2%減少

脱水のタイプ

慢性型(高張性脱水症):食欲低下、病気療養、加齢によって体液が徐々に減少することでおこります。塩分などの電解質より体液が多く失われます。からだの中のナトリウムが多い状態である「高Na血症」がおこります。のどが渇きやすい特徴があります。

 

急性型(低張性脱水症):熱中症、胃腸炎による下痢嘔吐などによって、急速に体液が減少します。このときに、塩分などの電解質をとらず、水やお茶を大量に摂取すると体液が薄まります。からだの中のナトリウムが少ない状態である「低Na血症」がおこります。喉の渇きはおこりにくといわれます。

脱水症の症状の考え方

からだの水分が不足することで、脳の血流が不足します。そして、めまい、立ちくらみの症状がおこります。また、消化器への血流が不足し、食欲の低下がおこります。をかけないことで、微熱がおこります。水分の不足は、心拍数増加(頻脈、不整脈)もひきおこします。

 

ナトリウムなどの電解質が不足することで、筋肉の動きがおかしくなります。そして、こむら返り、筋肉がつる症状、痛みなどがおこります。

脱水症の見分け方

▶喉の渇き、口の中の渇き
▶だるさ、ふらつき、食欲の低下
▶尿量の減少

 

握手…冷たい(末梢の血流不足)
舌…乾きあり(つばの減少)
爪…押して赤みが戻りにくい
皮膚をつまむ…弾力性低下(つまんで3秒以上戻らない)
脇の下…乾き
病院の検査…脈が増える、血圧低下、ヘマトクリット、尿が濃くなる

脱水症の原因

高齢者

腎臓の衰えによって尿量が増加する
利尿薬の服用
筋肉量の低下
飲水量の減少(失禁を怖れて)
認知機能の低下など

小児

不感蒸泄が多い
汗腺が未発達
遊びに夢中
発熱で脱水

脱水症と関連する病気

二日酔い、夏バテ
消化機能の低下がおこり、消化不良、吸収不良によって脱水症がおこります。症状として、吐き気、食欲低下、下痢、便秘、頭痛などがおこります。

 

熱中症
初期症状は脱水症です。汗がかけないと微熱やこもり熱が出ます。そして、熱中症の重症化につながります。

 

胃腸炎
嘔吐下痢によって脱水症がおこります。体液量が低下し、臓器への血流が低下します。そして、多臓器不全(心、肝、腎)から死に至る危険があります。

 

インフルエンザ
高熱から消化機能が低下します。そして、下痢や嘔吐、消化不良、吸収不良から脱水症につながります。多臓器不全(心、肝、腎)から死に至る危機があります。

 

認知機能低下(高齢者)、集中力低下(若い人)
認知症や集中力の低下があると環境の変化に対応できなくなります。水分が摂取できないなど、脱水症がおこります。そして、脳への血流が不足し、さらなる認知機能低下やせん妄がおこります。

 

めまい、立ちくらみ
脱水症によるめまい、立ちくらみから転倒、そして骨折の危険があります。

 

皮膚のトラブル
脱水症は皮膚の乾燥を悪化させます。そして、皮膚のバリア機能が低下し、皮膚にばい菌の侵入すると皮膚病、褥瘡(じょくそう)につながります。

 

膀胱炎、尿路結石
脱水症は、尿のうっ滞と濃縮尿につながります。そして、泌尿器感染、尿路結石の原因となります。

 

口臭、歯周病
脱水症は口内乾燥を悪化させます。口内のばい菌増殖、口臭、歯周病、味覚異常につながります。

 

肺炎、気管支炎
脱水症によって、痰が硬くなり、ばい菌が除去できにくくなります。そして、肺炎、気管支炎につながります。

 

血液ドロドロ
脱水症によって、血の塊ができやすくなります。血管が詰まると脳梗塞、心筋梗塞の危険につながります。

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