熱中症と経口補水液


熱中症と経口補水液

熱中症と経口補水液

夏になると汗をかく機会が増え、脱水症や熱中症の危険が増えます。脱水症を放置すると、熱中症の危険な症状がおこってしまいます。予防として水分補給が大切ですが、誤った水分補給は症状の悪化につながります。適切な水分補給をおこない、健康維持に役立てましょう。

 

 

【経口補水とは】
小腸から素早く吸収されて、からだの中に残って体液となり、脱水症を素早く改善する飲料です。経口とは、口から与えることをさします。補水とは、水分塩分を同時に補給することをさします。糖分と塩分を同時にとることで、水分の吸収能力が高まります。

 

下痢や軽度~中等度の範囲にある脱水症、かくれ脱水、十分食事がとれない時など、「摂取した以上に体液が失われた時」に飲むべきです。補水液が体温に近い温度(常温~人肌程度)だと、胃腸の働きが最も活発になり、吸収されやすいといわれます。

 

一回の補給であれば、30分くらいかけて500mlを目安に飲みましょう。時間をわけて補給できる場合は、コップ1杯程度の量をこまめにとると、効率的に吸収されます。起床時、朝食時、10時、昼食時、15時、夕食時、入浴前後、就寝前と、1日8回が「こまめに」の目安です。

 

塩分は、水分を体の中にためる働きがあります。つまり、血管に水分をためておくのは「塩分の力」なのです。水分だけを補給しても体内に水分をためておけません。水ばかり飲むと体液が薄まり、塩分も薄まって水中毒(意識もうろう、痙攣など)をおこす危険があります。

 

アルコールは体内の水分を奪うため、適切ではありません。また、牛乳やジュースはカロリーのとりすぎに注意が必要です。カフェイン入りの飲料は利尿作用があるためおすすめではありません。(カフェイン入りでも1L以上でなければ水分補給になるという意見もあります)

 

 

【経口補水液の成分】
主成分は、水分、塩分(電解質)、ブドウ糖(炭水化物)であり、カリウムイオン、マグネシウムも含まれます。塩分(ナトリウム)とブドウ糖の割合は、「塩分:ブドウ糖=1:約1~2」です。小腸の「ナトリウム・ブドウ糖共輸送機構」によって、水分が吸収されます。

 

塩分があることで、水分の吸収力アップが行われます。また、糖分があることで、吸収速度アップが期待できます。ナトリウム・ブドウ糖共輸送機構は、下痢でも正常に機能します。つまり、下痢のように腸の調子がくずれている状態でも、経口補水液であれば水分をしっかりと吸収できるのです。

 

 

【スポーツドリンク】
スポーツによる発汗によって失われた水分ミネラルを効率よく補給できる機能性飲料です。しかし、この成分がはいっているから「スポーツドリンク」であるという、成分の組成に基準はありません。

 

美味しく飲めるように塩分を控えている飲料が多いため、補水効果は高くありません。塩分の量が、飲料1Lあたり1g以上あれば高い補水効果が期待できます。また、一般的にブドウ糖が多く含まれており、(浸透圧が高くなり)小腸からの水分の吸収は低下します。

 

スポーツドリンクには、アミノ酸入り飲料が存在します。スポーツ前後に摂取すると、筋肉の疲労を抑え回復を促進します。しかし、アミノ酸によって、(浸透圧が上昇して)体内への水分の吸収が遅くなります。また、アミノ酸は体温上昇効果があり、熱中症に伴う脱水症対策には不向きです。

 

 

【経口補水液の注意点】
脱水ではない時に摂取すると塩分の過剰摂取になるため、高血圧の方は特に注意が必要です。また、食事と胃の中で混ざると組成が崩れるため、食事とは30分以上間隔をあけて飲みましょう。また、沸騰させない、凍らさない、とろみは付けないようにしましょう。

 

経口補水液は元気を取り戻すためのアクセルです。摂取の目安は1~3日で、症状が改善しない場合は早めに医療機関を受診しましょう。

 

 

【どんな病気や症状で飲めば良いのか?】
熱中症、足がつる、気分が悪い、ふらふらする、急性胃腸炎、下痢がつづいている、嘔吐、インフルエンザなどのときに効果的です。特に、嘔吐時は、30分程度吐き気がなければ様子を見て少量ずつ飲みましょう。インフルエンザでは、発熱がみられた時点から迅速に経口補水液を飲みはじめましょう。

 

 

【熱中症対策の生活】
水分をためるタンクをつくる意識をしましょう。水分を留める筋肉を育てるために、「植物性:動物性=1:1のたんぱく質」をしっかり摂りましょう。強いからだ、汗のかけるからだ(自律神経の活性化)をつくるために、適度に運動を行うことも効果的です。

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