災害時の医療機関と薬|災害時における医療とは

【災害と医療機関】
災害発生時に、災害の種類や規模に応じて利用可能な医療資源を可能な限り有効に使う必要があるとともに、普段から災害を念頭においた関係機関による連携体制をあらかじめ構築しておくことが必要不可欠です。

 

 

災害には、地震、風水害、火山災害、雪害等の自然災害から、海上災害、航空災害、鉄道災害、道路災害、大規模な事故による災害(事故災害)に至るまで様々な種類があります。

 

また、同じ種類の災害であっても、発生場所発生時刻発生時期等によって被災・被害の程度は大きく異なります。

 

 

日本における災害医療体制は、国や自治体が一部支援しつつ、関係機関(救急医療機関、日本赤十字社、地域医師会等)において、地域の実情に応じた体制が整備されてきました。

 

都道府県は、地域の現状を把握・分析し、また必要となる医療機能を明確に理解した上で、地域の実情に応じて圏域を設定し、その圏域ごとの医療機関とさらにそれらの医療機関間の連携の検討を行い、最終的には都道府県全体で評価までおこなえるようにすることとされています。

 

 

【災害と薬剤師】
大規模災害時における薬剤師の活動環境は変化しています。

 

平成7年(1995年)に阪神・淡路大震災が、16年後の平成23年(2011年)に東日本大震災が発生しました。

 

その間にも医薬分業は進んでおり、処方箋受取率は、平成7年(1995年)には約20%でしたが、平成23年(2011年)には約64%へと進展しておりました。

 

その結果、大規模災害時における薬剤師の活動環境は大きく変化しました(主な事例は下記の通り)。

 

  阪神・淡路大震災(1995年) 東日本大震災(2011年)
薬剤師派遣形態 ボランティア 防災協定による県からの正式要請
派遣医療チーム チーム参加要請ほとんどなし 行政、医師会、大学病院等多くのチームより参加要請あり
日赤チーム

支援要請なし
自己完結型

現地日赤病院も含め、チームに参加要請あり
被災地の病院 支援要請なし 支援要請あり
参加薬剤師の職域 開局・病院が中心 開局、病院のみならず、製薬、卸、教職他、広範囲の職域の薬剤師が参加
仮設診療所での役割 参加するも、被災者への医薬品の交付、説明は医師 診療所内で医師の処方箋に基づき、薬剤師が被災者への医薬品の交付、説明を担当

 

お薬手帳の活用や面接による処方薬の情報収集および備蓄医薬品の種類と備蓄量を勘案した最善の処方支援を行った事例があり、災害派遣医療チームへの薬剤師の参加は、診療効率を格段にあげることができると評価されております。

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