ADLの評価尺度「FIM(機能的自立度評価表)」

ADL(activities of daily living)とは、日常生活動作と訳され、普段の生活で行っている基本的な行動をさす言葉です。詳しくは、食事・更衣・移動・排泄・整容・入浴など生活を営む上で不可欠な基本的行動をさします。

 

あまり馴染みのない言葉ですが、リハビリテーションや介護業界ではよく使われています。ADL(日常生活動作)がしっかりとできることは、介護が必要でないということです。薬は、ADLを上げることもあれば、下げてしまうこともあります。

 

 

【FIM(Functional Independence Measure)とは】
ADLを評価する評価方法の一つであり、生活を営んでいくために必要最小限の項目を把握するために用いられます。ADL評価法の中で最も信頼性と妥当性があるといわれており、運動と認知に関しての全18項目を介助量に応じて7段階で評価します。専門職でなくても評価ができ、どのような疾患にも適応できます。

 

運動項目

セルフケア
①食事(口に運ぶ動作から咀嚼し、嚥下するまで)
②整容(口腔ケア・整髪・手洗い・洗顔・そして髭剃りまたは化粧)
③清拭・入浴(身体を洗う、拭く動作)
④更衣(上)(腰より上の更衣・および装着している場合には、義肢または装具の着脱)
⑤更衣(下)(たんすから必要な衣服を取り出し、腰から下の衣服を着脱すること)

 

排泄コントロール
⑥トイレ動作(排尿・排便の前後にズボン・下着を上げ下げし、会陰部を清潔に保つこと)
⑦排尿(排尿をしてもよい状況で、タイミングよく括約筋を緩めるというところ)
⑧排便(排便をしてもよい状況で、タイミングよく括約筋を緩めるというところ)

 

移乗
⑨ベッド・椅子・車椅子への移乗(往復の動作)
⑩トイレ移乗(便器の移ること、および便器から離れること)
⑪浴槽移乗(浴槽またはシャワー室に入り、そこから出る動作)

 

移動
⑫歩行状態(立位の状態であれば歩行、座位の状態であれば平地での車椅子の移動)
⑬階段昇降(屋内の12~14段の階段)

 

認知項目

コミュニケーション
⑭⑮言語の理解・表出(言葉を聞き分けるところまで)

 

社会的認知
⑯社会交流(相手に迷惑をかけているかどうか、自分の言動が人にどう思われているか)
⑰問題解決(日常生活の中で起こる問題にどう対応するか)
⑱記憶(よく会う人を認識している、日課を覚えている、他人の依頼を実行する)

 

FIMは、これらの18項目から計算するのですが、詳細はFIMによる評価マニュアル(外部サイト)のマニュアルをダウンロードし計算を行ってください。(スマートフォンやタブレットではフォントが崩れます)

 

 

【注意すべき点】
認知項目の評価は、評価者によって点数が異なることが多い。
・評価者の接し方や、観察場面によっても点数にバラつきが生じる。

 

 

【薬剤師じゃなくても薬がわかる本】

 

 

 

 

 

 


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