在宅医療で薬剤師のできることまとめ


在宅医療で薬剤師のできることまとめ

在宅医療で薬剤師のできることまとめ

在宅医療・介護に関して、薬剤師の活躍はあまり認識されていません。しかし、薬剤師が在宅医療に関与することで、「質の高い医療」を患者さんに提供することができます。

 

在宅医療における薬剤師の役割は、患者さんが「安全かつ安心して薬剤を服用できること」が第一です。そして、患者さんの病状、ADL(日常生活動作)そしてQOL(生活の質)を改善もしくは維持をめざします。

在宅医療で薬剤師のできること

薬剤師のできることは、大きく分けて2つあります。1つは服薬状況が悪い場合、その理由を探り改善のための対策を行う服薬支援です。もう1つは、薬が患者さんの病状、ADLそしてQOLに悪い影響を与えていないか、アセスメントすることです。

在宅医療での服薬支援

在宅医療を開始した当初は、薬がきちんと飲めているかの確認(コンプライアンス・アドヒアランスの確認)や、薬の効果・副作用の確認程度から始めます。徐々に疾患や生活状況に合わせて専門的な薬の管理や対応を行います。

 

在宅医療において、薬の飲み方(服薬状況)を改善してほしいという意見が非常に多いです。薬が飲めない原因は様々で、ひとりひとりの生活習慣生活環境に合った対応が必要です。

 

 

専門的な薬の管理(薬の保管方法)
薬は、温度や湿度光に弱いなど様々な特徴があります。薬ごとの特徴に合わせた保管方法の提案を行います。高い温度で効果がなくなる薬は、冷蔵庫へいれますが、その際にも吹き出し口付近は凍結の危険があるため、冷蔵庫のポケット部分に保管します。

 

湿度によって溶けてしまう(潮解性のある)薬は、乾燥剤の使用や他の薬にホチキスどめやテープのりでくっつける等の対応を行います。また、光に弱い薬は遮光袋を患者さんに提供し、薬を使ったあとは遮光袋に保管してもらうように説明を行い対応します。

 

専門的な薬の管理(コンプライアンス・アドヒアランス)
薬が飲めずに残っていないか(残薬)の確認を行うことで、薬を服薬することの問題点を見つけ出します。昼の薬がたくさん残っているようであれば、生活習慣から昼は薬が飲みづらいのだと判断します。この場合、その改善点を患者さんと一緒に考えます。

 

薬の保管場所が遠くて、取りに行けないため飲めないのであれば、保管場所の変更を行います。朝起きる時間が遅く、食事が1日2回なので昼の薬が飲めないのであれば、薬剤師から医師に連絡を行い「1日3回飲む薬」を「1日2回飲む薬」に、薬の変更を提案する場合もあります。(薬によっては変更できない場合もあります)

 

専門的な薬の管理(薬の設置業務)
お薬カレンダー(服薬カレンダー)や、お薬ボックスへの薬の設置を行います。カレンダーに薬を差し込むだけだと安易に考えられる方もいますが、間違っただけで薬の効果が倍になったり、薬の効果が得られない危険性のある責任ある業務です。中には、日めくりカレンダーに薬を貼り付けてくれる薬局もあります。薬剤師のための日めくり服薬カレンダーのダウンロードはこちら(外部サイト)

 

目の不自由な患者さんには、用法の点字シールを使用したり、変形・拘縮などで手が不自由な患者には薬包紙の開封のためレターオープナーの使用を提案します。また、点眼補助器、坐剤挿入補助器、塗布薬塗布用補助器、湿布薬貼付用補助器、軟膏絞り出し器などの提案・提供を行うこともあります。

 

専門的な薬の管理(薬の嚥下)
高齢になるとともに、患者さんの薬を飲み込む能力(嚥下能力)は低下します。錠剤は飲み込めないが、口の中で溶けるOD錠(Oral Disintegrant 口腔内崩壊錠)であれば飲み込むことができるなど、患者さんの嚥下能力を考慮した剤形の提案や「薬の粉末化」、「簡易懸濁法」を提案する場合もあります。

 

上手な服薬のためのポイント
1)薬を飲む前に口を少量の水で湿らせる
2)鼻が当たる部分をカットしたコップを用いる
3)静かに呼吸を整えてから服用する
4)オブラートやトロミ剤、嚥下補助ゼリーなどの服薬補助食品を使用する

在宅医療のアセスメント

薬剤師が行えるアセスメントは主に、薬の効果がしっかり出ているのか確認すること、薬の副作用が起きていないのか確認することの2つです。食事・睡眠・排泄・認知機能・運動機能などを薬剤師の視点で、視覚、聴覚、嗅覚、触覚、味覚の五感を用いてチェックします。

 

薬の効果がしっかり出ているのか確認
国が認めている医薬品(薬)は、約1万8,000種類あります。そして薬には、その薬特有の効果があります。血圧の薬を飲んでいる方であれば、血圧がきちんと下がった状態なのかを確認します。

 

また、お通じの薬を飲んでいる方には「便の調子はどうなのか」確認をし、胃薬を飲んでいる方には「胃の痛みはないか、食欲はあるか」などの確認を薬剤師の目線で行います。医師と薬剤師の「薬のみかた」「患者さんのみかた」は異なります。(詳細は別ページで)

 

薬の副作用が起きていないのか確認
どの薬にも副作用や飲み合わせ(相互作用)で注意すべき点があります。花粉症に使われる薬でも認知機能が低下したり、認知症の薬で喘息などの呼吸困難が起こったりと、薬は思わぬところで悪さをします。その副作用・相互作用のチェックなどを薬剤師が責任をもって行います。

 

このように、薬が効いてなければ、薬を変更したり増やしたりすべきです。薬の副作用が出ており、その副作用が治療に差し支えるようであれば薬の減量や変更を行うべきです。得られた情報は、医師やケアマネージャー、訪問看護師などにフィードバックし、情報を共有します。情報共有を行うことで、患者さんにとって「より質の高い医療サービス」を提供することができます。

 

 

【その他の薬剤師の役割】
多職種への医薬品情報提供
薬剤師は、薬の専門家です。薬の使用方法や保管方法などに関する様々な情報を、医師やケアマネージャー、訪問看護師などに情報提供をおこなっています。

 

麻薬の服薬管理と廃棄
がんの痛みに対して、麻薬が痛み止めの薬として頻繁に使われます。しかし、麻薬は使い方を誤ると大変危険です。そこで、薬の専門家である薬剤師が、薬の適切な使用方法を管理し、その廃棄も責任をもっておこなっています。

 

医療材料・衛生材料の供給
薬局は小売店でもあります。カテーテルチップシリンジ、栄養ボトル(イルリガートル)、エクステンションチューブ、高カロリー用ルートなど、普段はあまり聞きなれない医療材料・衛生材料を取り寄せ、病院や患者さんに提供することができます。

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