在宅医療への移行と注意点

在宅医療とは、医師、薬剤師、訪問看護師などの医療関係者が、定期的に患者さんのおうちを訪問することによって提供される医療です。在宅医療の中で薬剤師は主に、患者さんが適切に使用することに関わります。

 

そして、患者さんの病状、ADLQOLを改善・維持するために様々なことを行っています。薬剤師が在宅医療を開始する流れはこちらをご覧ください。このページでは、在宅医療への移行と注意点を解説いたします。

 

 

【在宅医療移行までの過程】
まず、患者さんやその家族と「在宅医療」についての話をします。その際に、家族が「患者さんの現状」をどう理解しているのか、どのような希望をもっているのか等の話もします。在宅医療での治療・ケアの方針について、薬剤師と患者さんと家族で「共通認識」を持つことが大切です。共通認識を持つことで、質の高い在宅医療を行うことができます。

 

 

【質の高い在宅医療のための共通認識】

  • 在宅での療養環境家庭の事情について
  • 病状をどう理解しているのか、どのような希望を持っているのか
  • 今後の治療方針を確認する
  • 病院・在宅医の役割分担について

 

 

【在宅医療開始前に医療者が把握すべき項目】

  • 現在の病状身体状況治療内容の把握
  • 予後や今後起こりうる症状の把握
  • 使用している(もしくは今後する可能性のある)薬剤医療機器の把握
  • 使用している薬剤が残っているか把握(残薬
  • アレルギー、副作用歴、飲みにくい薬の剤形などの把握
  • 本人・家族の理解と意向の把握
  • 家族の介護負担、介護サービスの利用状況の把握
  • 病院の医師やケアマネ、訪問看護師、介護職員等との役割分担の把握

 

 

【在宅医療で対応しづらい場合】

  • 1日何度も訪問が必要な治療やケアがある
  • 現在の病状と家族の介護力に大きな不均衡がある
  • 患者さんや家族の病院依存が強い
  • 現在の病状や今後の治療方針が不明瞭である

 

 

【薬剤師の訪問計画】
薬の残薬を確認することで「患者さんの生活状況」が見えることが多いです。昼食後の残薬が多い場合、昼食は食べない事が多く、薬も服用していないのではないかと想像します。薬が飲めてない場合は、一包化や服薬カレンダーの作成などを検討します。

 

食事が不規則であるなら、医師と相談して1日3回の処方を1日2回に変更するなど、患者さんに合わせた改善策を検討します。残薬の状況、薬の保管状況併用薬(他の病院でもらっている薬など)の確認をしっかり行った上で、薬効副作用のチェックを行います。

 

薬効や副作用のチェックには、食事や排泄、睡眠、運動、認知機能の確認が大切です。何気ない世間話からこれらの情報を把握し、薬の影響を評価します。

 

 

【薬剤師じゃなくても薬がわかる本】

 

 

 

 

 

 


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