学校薬剤師の職務内容:空気検査


学校薬剤師の職務内容:空気検査

学校薬剤師の空気検査

学校薬剤師とは、学校環境衛生の維持・改善を目的として、大学を除く国立・公立・私立の学校すべてに委任委嘱されています。薬剤師が「薬学」を中心とした「専門的な知識」を発揮させ、法律に基づき活動します。空気検査は、正常で快適な学校の環境を維持し、児童生徒の学習意欲低下や健康被害を防ぐために行います。

 

おおよそ一日の8時間を学校で生活する児童生徒にとって、教室内の空気環境は非常に大切です。教室の温熱条件や空気の清浄度は、学習意欲にも影響を与えます。児童生徒が快適に感じる温熱条件は、温度や湿度、気流等が学校環境衛生基準に定められた「基準値の範囲内」であることが望まれます。

 

また、近年、教室内で感じる刺激臭が問題となっています。教室の温度上昇により、揮発性有機化合物の発生が起こり、シックハウス症候群等の問題も大きく取り上げられるようになりました。化学物質過敏症を発症している児童生徒もいるため、注意が必要です。

 

 

学校環境衛生基準:「学校保健安全法」第6条によって定められた基準。(換気・採光・照明・保温・清潔保持その他維持される事が望ましい基準を定めた)平成21年4月より施行。

 

シックハウス症候群:住宅の高気密化により、化学物質を放散する建材・内装材などの使用が増えている。その化学物質により、室内の空気が汚染され、居住する人の体調不良などの健康被害が起こる状態。

空気検査項目

検査項目 基準値 検査機器
換気 二酸化炭素濃度 1,500ppm 以下 検知管

 

温度/湿度

10℃以上 30℃以下/30%以上 80%以下 アスマン通風乾湿計
浮遊粉じん 0.1mg/㎥以下 デジタル粉じん計
気流 0.5m/秒以下 微風速計
ホルムアルデヒド 100μg/㎥以下 HPLC 法/簡易法
トルエン 260μg/㎥以下 GC-MS 法/検知管法
CO/NO2 10ppm 以下/0.06pp 以下 燃焼器具使用時測定

 

二酸化炭素濃度
検知管法を用いて検査を行います。基準値として、1,500ppm以下が望ましいとされています。直接的な影響はあまり無いものの、二酸化炭素と共に他の汚染物質が増加するおそれがあるために測定を行います。二酸化炭素濃度が1,500ppmを超えた場合には、換気を強化する必要があります。感染症防止においても、換気は重要です。

 

温度・相対湿度
アスマン通風乾湿計を用いて検査を行います。温度10℃以上、30℃以下, 相対湿度30%以上、80%以下が望ましいとされています。10℃以下が継続する場合には、暖をとれるように対処すべきです。感覚温度は、気温だけが反映するのではなく、相対湿度や気流の状況等の影響を受けます。湿度が30%未満の場合には、加湿器等の設置を考慮します。

 

浮遊粉じん
相対濃度計を用いて検査を行います。基準値は、0.1mg/立方メートル以下であることとされています。0.1mg/立方メートルを超えた場合は、原因を究明し、適切な措置をしなければなりません。外気が原因となりやすく、持ち込まれた粉じんは比較的粒径の大きな粉じんであることが多いです。タバコが原因となることもあるため、受動喫煙を防止します。

 

気流
微風速計を用いて検査を行います。室内で、秒速0.5m以下が望ましいとされています。不快な気流が生じている場合は、空気の吹き出し口等の適当な調節を行います。冬期等は、隙間風にも関心を払う必要があります。

 

揮発性有機化合物

揮発性有機物質名 基準値
ホルムアルデヒド 100μg/立方メートル以下
トルエン 260μg/立方メートル以下
キシレン 870μg/立方メートル以下
パラジクロロベンゼン 240μg/立方メートル以下
エチルベンゼン 3800μg/立方メートル以下
スチレン 220μg/立方メートル以下

 

温度が高い時期に検査を行います。30分以上換気の後、5時間以上密閉してから測定します。基準値を超えた場合は、換気を励行します。都市部に位置する学校は、外気の汚染物質の影響を受ける場合があります。外気濃度が高い場合は、自治体の公害担当部署等に相談する必要があります。

 

一酸化炭素(CO)濃度
専用の検知管を用いて検査を行います。基準値は、10ppm以下であることとされています。ストーブなどの燃焼器具の吹き出し口または、その近くで測定します。10ppmを超えた場合は、適切な措置をしなければなりません。発生源は、主に室内における燃焼器具の使用です。

 

二酸化窒素(NO2)濃度
ザルツマン法により検査を行います。基準値は、0.06ppm以下が望ましいとされています。
検知管法では、読み値×温度補正=真値 であり、
NO2は外気にも存在するため、外気濃度も測定しておく必要があります。基準値を超えた場合は、換気を励行します。外気の濃度が高い場合は、自治体の公害担当部署等に相談する必要があります。

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