学校薬剤師の騒音検査

学校薬剤師とは、学校環境衛生の維持・改善を目的として、大学を除く国立・公立・私立の学校すべてに委任委嘱されています。薬剤師が「薬学」を中心とした「専門的な知識」を発揮させ、法律に基づき活動します。騒音検査は、正常で快適な学校の環境を維持し、児童生徒の学習意欲低下を防ぐために行います。

 

騒音とは、「好ましくない音」または「ない方がいいと思うような音」と定義されています。学校環境衛生の立場からは、学習の妨害になる音が騒音と定義されています。教室の声の平均的なレベルは、65~70dBと推定されています。

 

教室内の等価騒音レベル(LAeq)
「校内騒音の影響」と「外部騒音の影響」を最も受けやすい教室を選び、普通騒音計を用いて測定します。児童生徒のいない状態で、教室の窓側と廊下側で、窓を開けた時と窓を閉めた時の等価騒音レベルを測定します。

 

等価騒音レベル( Equivalent continuous A-weighted sound pressure Level )とは、騒音レベルが時間とともに不規則かつ大幅に変化している場合に、算出した騒音レベルの平均値をさします。

 

教室の状態 基準値
窓を閉じているとき LAeq50dB以下が望ましい
窓を開けているとき LAeq55dB以下が望ましい

 

窓を開けたときの等価騒音レベルが55デシベル以上となる場合は、窓を閉じる等、適切な方法によって音を遮ります。また、判定基準を超える場合は、騒音の発生を少なくするか、授業を行う教室を騒音の影響が少ない教室等に替えることも考慮します。

 

校内騒音は、学内で処理できる場合が多いです。しかし、校外からの騒音については、学校自体で解決できない場合もあるので、学校の設置者による措置をしなければなりません。

 

代表的な騒音

騒音レベル(dB)  
120 飛行機のエンジンの近く
110

自動車の警笛(前方2m)
リベット打ち

100 電車が通るときのガード下
90

騒々しい工場の中
カラオケ(店内客席中央)

80

地下鉄の車内(窓を開けた時)
蝉の声

70

騒々しい事務所の中
騒々しい街頭

60

静かな乗用車
普通の会話・チャイム

50

静かな事務所
クーラー(屋外機の始動時)

40

市内の深夜、コオロギの声
図書館

30

郊外の深夜
ささやき声

20 木の葉の触れ合う音


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