自殺を救うゲートキーパーとその心得


自殺を救うゲートキーパーとその心得

ゲートキーパーとは

日本の自殺者数は、平成10年以降13年連続で年間3万人を超えています。死因別順位をみても、自殺で亡くなっている人が多く、特に20~34歳の人が多いです。そこで、自殺対策のひとつとして、「ゲートキーパー」が注目されています。

 

ゲートキーパーとは、悩んでる人に気づきをかけ、話を聞いて、必要な支援につなげ見守る人です。役割は、専門家や福祉、家族など、それぞれの立場によって異なります。心理社会的問題や生活上の問題、健康上の問題を抱えている人や、自殺の危険をかかえた人々に気づき、適切に関わることが必要とされます。

 

ゲートキーパーの主な役割
気づき・・・家族や仲間の変化に気づいて声をかける
傾聴・・・本人の気持ちを尊重し、耳を傾ける
つなぎ・・・早めに専門家(医者など)に相談するように促す
見守り・・・温かく寄り添いながら、じっくりと見守る

 

支援に必要とされる役割(それぞれの領域)
専門・・・専門職(精神医療、専門機関)など。高い専門性、問題の解決が求められる。
中間・・・医療、福祉、相談機関など。問題の抽出や対応、連携が求められる。
一般・・・住民組織、ボランティアなど。見守り、共生、気軽な相談が求められる。

自殺を考えている人の心理

自殺を考えている人を支援(理解)するためには、自殺を考えている本人の心理を知る必要があります。まず、とにかく話を聴くこと(傾聴)がとても重要です。

 

自殺を考えている人の心理(※)は、以下のようにさまざまです。

絶望感孤立感悲嘆(悲しいと思う気持ち)
焦燥感(焦り)
衝動性強い苦痛感無価値観(自分に価値がないと感じる気持ち)
怒り投影(自分の感じている気持ちを、まるで相手が感じているかのように考える)
柔軟性がない考え方(偏った考えしかできない)
否認(現実を認められない状態)
将来の希望がないという見通しのなさ諦め解離(普段の意識状態ではなくなり、今ある現実と考えや気持ちに断絶が起きている状態)
両価性(生きたい気持ちと死ぬしかない気持ちがゆれうごく状態)
自殺念慮(現在の問題を解決する方法は自殺しかないという考え)

 

自殺の危険性がある人は、「助けてくれなくていい」、「誰も信じられない」、「お前に何がわかる」、「・・・(無言)」、「死なせてくれ」などと話し、援助を断ろうとします。

 

しかし、本当に援助を断りたいわけではありません。支援者は自殺を考えている人の背景に、このような心理状態(※)がある可能性を踏まえての対応すべきなのです。

 

また、以下は自殺につながりやすい要因(危険因子)です。

過去の自殺企画・自傷歴喪失体験(身近な人との死別体験)
苦痛な体験(いじめ、家庭問題)
職業問題・経済問題・生活問題精神疾患・身体疾患の羅患およびそれらに対する悩み
ソーシャルサポートの欠如(支援者がいない、社会制度が活用できない)
自殺企画手段への簡易なアクセス(危険な行動に及びやすい環境)
自殺につながりやすい心理状態望ましくない対処行動(飲酒でまぎらわす、薬物乱用)
危険行動(自暴自棄な行動)

 

反対に、自殺を防ぐ要因(防御因子)は、心身の健康、安定した社会生活、支援の存在、利用可能な社会制度、医療や福祉などのサービス、適切な対処行動(信頼できる人に相談するなど)、周囲の理解(本人を理解する人がいる、偏見をもって接しないなど)、支援者の存在などです。

ゲートキーパーとしての心得

ゲートキーパーをするにあたって、大切な心得があります。これらの心得は、普段生活する上でも非常に役立つ内容です。

 

相手にかかわるための心の準備をする
「今から相手の話を聴く」という心の準備が大切です。心の準備ができていないと、相手の話に動揺したり、拒絶するなど、不適切な対応をとってしまう場合があります。

 

温かみのある対応をする
悩みをかかえている人は、苦労をかかえ辛い状況に陥っているため、穏やかで温かみのある対応が原則です。温かみのある対応が、困難をかかえている人の大きな支援になります。

 

真剣に聴いているという姿勢を相手に伝える
相手にしっかりと向きあう、相手の話に相づちをうつなど、こちらが真剣に聴いている姿勢(共感)が相手に伝わるようにします。相手は支援者の聴く姿勢により、悩みを話すようにうながされ、安心して悩みを話します。途中で話を遮らないよう注意しましょう。

 

相手の話を聴く
最初に話を聴く場合には、相手の体験したこと、考え、感じていることを十分に聴きます。正しいかどうかや良い悪いを判断したり、批判はしないようにしましょう。「話を聴くだけでは何もならない」と感じる人もいますが、話を聴く行為は危機がある人への最大の支援です。「話を聴いてもらうだけで安心した」とおっしゃる人も多いです。

 

ねぎらう(感謝の気持ちを表す何らかの行為をする)
話をしてくれたことをねぎらうと良いです。また、たとえ本人の失敗から至った困難でも、これまでの苦労をねぎらうことが大切です。

 

心配していることを伝える
悩んでいる状況を無視せずに、相手の状況を心配していると伝えることが大切です。

 

わかりやすく、ゆっくりと話をする
悩んでる人はいろいろな感情が沸き起こるため、一度にまくしたてるような話は理解できず、受け止められない場合があります。穏やかな態度で、普段話すスピードの半分くらいのつもりで話します。また、相手の反応を見ながら、一言一言話しましょう。

 

一緒に考えることが支援
一人で悩みをかかえてる人は、孤独感や絶望感を感じているため、支援者が話をよく聴き、一緒に悩み、考えること自体が支援になります。中には「自分は支援など何もできない」と思う人もいますが、一緒に考えてくれる人がいると、悩みをかかえている人の孤独を防ぎ、安心を与えます。

 

準備やスキルアップも大切
日頃から、自殺対策や相談窓口のリーフレットを持参したり、スキルアップの研修を受けたり、新聞などのニュースに関心をはらっておくと、いざ対応するという場面で役に立ちます。問題の解決には、日頃得ている情報が役立ちます。

 

自分が相談にのって困ったときのつなぎ先を知っておく
すべての問題を解決できる支援者はいません。自分が困ったとき(対応しきれないとき)にどこに相談したらよいか、地域の相談窓口等を事前に確認しておきましょう。

 

ゲートキーパー自身の健康管理、悩み相談も大切
支援者自身が心身ともに健康に暮らしていることが一番です。日頃から健康面に注意をはらい、休養やストレス対処、運動なども大切です。自らが困ったときには、信頼できる人に相談しましょう。

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