市販のかぜ薬の選び方

風邪(かぜ)とは、喉の奥にある「気管支」の炎症をさします。咳や痰、微熱やだるさなどが主な症状です。かぜの原因は、80~90%が「ウイルス」と言われています。基本的にかぜのウイルスに効く薬なく、かぜに対する特効薬とよべるものはありません。

 

 

【医療機関受診の判断】
下の図は、日本呼吸器学会のかぜ症候群(風邪)に対するガイドラインです。病院に行くべき状態なのか、判断するために使用しています。しかし、いつものかぜでは熱が37℃程度なのに、今回のかぜは38℃でとてもしんどいなど「いつもと違う」場合には病院に行くように勧めることが多いです。

 

 

かぜの症状に関する詳細は、こちらをご覧ください。

 

 

【かぜ薬を選択する】
かぜに対する薬は、基本的に症状を緩和させるための対症薬です。以下の成分が、数種類配合されたかぜ薬も多く、成分をしっかりと見極めなければ、副作用の危険があります。

かぜ薬の種類 主な症状(抑えるために薬を使用)
解熱鎮痛薬 頭痛、喉の痛み、関節痛、熱
抗炎症薬 のどの腫れ、痛み、炎症
鎮咳(ちんがい)薬
去痰(きょたん)薬 痰(たん)
抗ヒスタミン薬 くしゃみ、鼻みず
気管支拡張薬 息苦しさ

 

解熱鎮痛薬
熱を下げる効果と、痛みを和らげる効果をあわせもつ薬です。炎症や痛み、発熱に関わるプロスタグランジンの合成を抑制し効果を発揮します。頭痛をはじめ、ほぼ全身の痛みに効きますが、神経性の痛みには効きづらいという特徴があります。

主な成分名 注意点
アスピリン(アセチルサリチル酸)、アセトアミノフェン、イソプロピルアンチピリン、イブプロフェン、エテンザミド、サリチルアミド、サリチル酸、ロキソプロフェン 基本的に、胃腸への負担がかかりやすいため、食後や多めの水で服用すると良い。小児や腎臓が悪い方、喘息の方の服用は注意が必要。

 

抗炎症薬
炎症による腫れを和らげる(抗炎症作用)薬です。のどの腫れなどを改善するために使用されます。のどが痛くて咳が出る場合には、咳止め(鎮咳薬)と一緒に使用することもあります。

主な成分名 注意点
グリチルリチン酸、トラネキサム酸、リゾチーム リゾチームは、卵白のアレルギーがある方に使用不可

 

鎮咳薬
咳を抑える薬です。脳の咳中枢の働きを抑えることで、効果を発揮します。比較的早く効果が得られる(30分から1時間程度)場合が多いため、咳の症状があるときのみ使用されます。

主な成分名 注意点
クロペラスチン、コデイン、ジヒドロコデイン、ジメモルファン、チペピジン、デキストロメトルファン、ノスカピン、ペントキシベリン 便秘や眠気をおこすものもある。車の運転などは注意。

 

去痰剤
痰の切れ(すべり出し)を良くする薬です。のどの調子を整えるために使用されます。

主な成分名 注意点
L-エチルシステイン、L-カルボシステイン、グアイフェネシン、ブロムヘキシン、メチルシステイン 痰の量が減るわけではない。

 

抗ヒスタミン剤
湿疹、皮膚などのかゆみ、鼻水などのアレルギー症状に対して効果を発揮します。特に、サラサラした鼻みずの症状などに有効です。

主な成分名 注意点
アリメマジン、カルビノキサミン、クレマスチン、クロルフェニラミン、ジフェニルピラリン、ジフェンヒドラミン、トリプロリジン、プロメタジン、メキタジン 口の渇きや便秘、眠気の副作用が多い。ネバネバした黄色い鼻みず、前立腺肥大、緑内障の場合は、基本的に使用しない。

 

気管支拡張薬
気管支を拡げる成分です。呼吸がしやすくなり、咳を抑える効果につながります。

主な成分名 注意点
ジプロフィリン、プロキシフィリン、テオフィリン、トリメトキノール、メチルエフェドリン、メトキシフェナミン 効き過ぎた場合には、手の震えや動悸が起こる場合がある。

 

かぜを治療するためには、十分な休息と栄養をとることが大切です。5日以上など、かぜが長引いている場合には、医療機関を受診したほうが良いでしょう。

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