第2条:適度な運動、しっかり朝食、ねむりとめざめのメリハリを。

定期的な運動や規則正しい食生活は良い睡眠をもたらします。そして、朝食はからだとこころのめざめに重要です。また、睡眠薬代わりの寝酒たばこカフェインは睡眠を悪くします。

​定期的な運動や規則正しい食生活は良い睡眠をもたらす

適度な運動を習慣づけると、入眠を促進し、中途覚醒を減らせます。「1日30分以上の歩行を週5日以上実施している人」や「週5日以上の習慣的な運動をしている人」では、入眠困難になりにくく、中途覚醒しづらくなります。

 

また、運動時間が短いほど、睡眠時無呼吸が重症になりやすいと考えられています。つまり、よい睡眠のためには、定期的な運動を行うことが効果的です。

 

ただし、激しい運動はかえって睡眠を妨げる可能性があります。運動が禁止されている方は、無理に行わないようにしましょう。

朝食はからだとこころのめざめに重要

しっかりと朝食をとることは、朝の目覚めを促します。朝食を食べない頻度が多い方ほど、入眠困難、中途覚醒、早朝覚醒、不眠を訴える割合が多くなります。また、夜食とその後の間食で摂取したカロリー量が多くなると、睡眠の長さや効率が低くなると考えられています。

 

睡眠-覚醒リズムが不規則な方は、「朝食の欠食頻度が多い」、「朝食の摂取量が少ない」、「昼食や夕食の摂取量が多い」といった傾向があります。朝食をとり、こころとからだを目覚めさせ、元気に一日をはじめましょう。

寝酒は睡眠を悪くする

寝る前の飲酒はかえって睡眠の質を悪化させるため、控えた方がよいでしょう。寝酒を週1回以上する男性は48.3%、女性は18.3%という研究結果があります。

 

日本人は睡眠に問題があっても医師に相談する頻度は低く、睡眠のためにアルコールをとる方が多いようです。

 

アルコール摂取は、一時的に眠れるようになりますが、中途覚醒が増えて睡眠が浅くなり、熟睡感が得られなくなります。さらに、だんだんと慣れが生じて、アルコール摂取量が増えていきます。

 

飲酒は睡眠時無呼吸を悪化させることが示されています。いびきや無呼吸は睡眠時無呼吸の主症状ですが、いびきは飲酒も関係しています。また、飲酒量が多いほど、上気道の安定性が低下します。つまり、いびきや睡眠時無呼吸がある方は、飲酒に注意しましょう。

就床前の喫煙やカフェイン摂取を避ける

就寝前にリラックスすることは入眠を促すために有効です。一方、たばこに含まれるニコチンには比較的強い覚醒作用があります。喫煙で摂取されたニコチンは、約1時間程度作用します。就床1時間前の喫煙や睡眠の途中で目が覚めた際の喫煙は、避けた方が良いでしょう。

 

喫煙には、寝つきを悪くするだけでなく、睡眠の質を悪化させるといわれます。喫煙者の睡眠は非喫煙者の睡眠に較べて、浅い睡眠が多く、深い睡眠が少ないことが示されています。また、喫煙は、睡眠時無呼吸症候群など他の疾患の発症を高める危険性があります。

 

また、就寝前3~4時間以内のカフェイン摂取は、入眠を妨げたり、睡眠を浅くする可能性があるため、控えた方が良いでしょう。これは、主にカフェインの覚醒作用によるもので、この作用は3時間程度持続します。(カフェインの半減期は3~5時間とされるため、完全に体から消失するには15~25時間程度かかります。)

 

また、カフェインには利尿作用もあり、夜中に尿意で目が覚める原因にもなります。カフェインは、コーヒー、緑茶、紅茶、ココア、栄養・健康ドリンク剤などにも多く含まれています。

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