第8条:勤労世代の疲労回復・能率アップに、毎日十分な睡眠を。

日中の眠気が睡眠不足のサインです。睡眠不足は結果的に仕事の能率を低下させ、蓄積すると回復に時間がかかります。午後の短い昼寝は、眠気をやり過ごし、能率を改善させます。

日中の眠気が睡眠不足のサイン

​成人男性の「平均的な睡眠時間」は6~8時間といわれています。一方、「必要な睡眠時間」は個人によって大きく異なり、また年齢によっても変わります。一人ひとりが、自分に必要な睡眠時間を知ることが大切です。

 

睡眠時間が足りているかどうかは、日中の眠気の程度で判断するとよいでしょう。昼過ぎにある程度の眠気を感じることは自然なことです。しかし、昼過ぎ以外の時間帯でも強い眠気におそわれる場合には、睡眠不足の可能性があります。

 

睡眠時間が6時間を下回ると、日中に過度の眠気を感じる方が多くなります。もし、日中の活動に支障をきたすほどの眠気がある場合には、睡眠時間を延ばす工夫が必要です。

睡眠不足は結果的に仕事の能率を低下させる

睡眠不足は、疲労や心身の健康のリスクを上げます。さらに、作業能率を低下させ、生産性の低下、事故やヒューマンエラーの危険性を高める可能性があります。人間が十分に覚醒して作業を行うことが可能なのは、起床後12~13時間が限界です。起床後15時間以上では、酒気帯び運転と同じ程度まで、作業能率が低下します。

 

つまり、睡眠時間を削って働くことは、知らず知らずのうちに作業能率を低下させています。職場の特性や様態に合わせた勤務スケジュールの設計など、労働者の適切な睡眠時間の確保が大切です。個人レベルでの工夫だけでなく、職場ぐるみでの取り組みも大切です。

睡眠不足が蓄積すると回復に時間がかかる

睡眠不足が長く続くと、疲労回復は難しくなります。睡眠不足による疲労の蓄積を防ぐためには、毎日必要な睡眠時間を確保することが大切です。6~7日間睡眠不足が続くと、その後3日間、十分な睡眠時間を確保しても、日中の作業能率は十分に回復しないことが示されています。

 

睡眠の不足を休日などにまとめて解消しようとすることを「寝だめ」と呼ぶことがあります。しかし、たくさん眠ったからといって、その後の睡眠不足に耐えられるわけではありません。

 

睡眠不足が蓄積された場合、休日にまとめて睡眠をとろうと試みても、睡眠不足による能率の低下をうまく補うことはできません。つまり、「睡眠」を「ためる」ことはできないのです。

 

また、睡眠不足の解消のために、休日に遅い時刻まで眠っていると、光による体内時計の調整が行われません。生活が夜型化して、日曜の夜の入眠困難や月曜の朝の目覚めの悪さにつながる危険があります。

午後の短い昼寝で眠気をやり過ごし能率改善

毎日、十分な睡眠をとることが基本です。夜間十分眠れなかった場合、昼寝が「眠気による仕事の問題」の改善につながります。

 

午後の早い時刻に30分以内の短い昼寝をすることが、眠気による作業能率の改善に効果的です。必要以上に長く寝すぎると、目覚めの悪さ(睡眠慣性)が生じるため、しばらくは作業を開始しないなど注意が必要です。

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