薬局での守秘義務

近年、個人情報の取り扱いに対しての意識が高くなっております。個人情報を世の中にさらすことは様々な危険があるため、意識が高いことは重要です。薬局においては、患者さんの氏名 、住所、電話番号、薬の情報(病気の情報)など、様々な情報を取り扱います。これらの情報は、医薬品を安全に使用していただくために非常に重要です。

 

連絡先は教えたくないという方もいますが、薬の情報は日々変化しています。昨日までは問題ないとされていた薬も、明日には重大な副作用の危険が見つかるかもしれません。その際には、連絡がつきやすい電話番号などが必要となります。

 

個人情報は、以下のように定義されています。

個人情報の保護に関する法律
第二条 「個人情報」とは、生存する個人に関する情報であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と容易に照合することができ、それにより特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)をいう。

 

薬剤師は「刑法」と「薬剤師倫理規定」によって守秘義務が課せられています。

刑法 (秘密漏示)
第134条 医師、薬剤師、医薬品販売業者、助産師、弁護士、弁護人、公証人又はこれらの職にあった者が、正当な理由がないのに、その業務上取り扱ったことについて知り得た人の秘密を漏らしたときは、6月以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。

 

薬剤師倫理規定第 9 条
(秘密の保持)
第9条 薬剤師は、職務上知り得た患者等の秘密を、正当な理由なく漏らさない。

個人情報保護のための取り組み

患者さんの名前を隠す
薬袋や薬情(薬の説明書き)やお薬手帳には、患者さんの名前やお薬の名前が記載されています。薬の名前がわかれば、ある程度の病気が推測できます。患者名や薬の種類を、ほかの方に知られないために、中が透けないポリ袋(ナイロン袋)を使用したり、袋に詰める際の入れ方を工夫します。

 

ほかの患者さんへ情報を混入させない
当たり前のことですが、お薬手帳などの小さい紙を、ほかの方に渡してしまわないように調剤トレーやクリップなどを活用しています。

 

書類の破棄に注意する
患者さんが不要と言われる書類を処分することがあります。その際には、シュレッダーの利用や専門業者への依頼を行います。書類を裏紙として、再利用するようなことはないように注意しています。

 

パソコンのパスワードは定期的に変更する
パソコンの中には、患者さんの記録が入っていることが多いです。インターネットにつながっている場合は、ウイルスによる情報漏えいの危険もあります。そのため、最長でも2ヶ月に1回など、定期的なパスワードの変更を行っています。

 

パーティションなどの個室化
店舗の大きさにもよりますが、患者さんと話をするスペースを区切っています。薬剤師は、患者さんと話をし薬を渡すことが問題ないことを確認しなければなりません。その際に、ほかの方に情報が聞こえないように配慮しています。もちろん、大きな声で話したりしないような意識も同様です。

 

スタッフの意識向上
時が経つごとに、スタッフの入れ替わりもあれば、個人情報に対する意識の低下も起こります。情報漏えいの危険性などについて、意識を向上するための研修を年に数回行っています。

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