市民のための添付文書の読み方(項目別解説)


市民のための添付文書の読み方(項目別解説)

市民のための添付文書の読み方(項目別解説)

添付文書(医療用医薬品添付文書情報)の読み方の詳細について解説いたします。先に、市民のための添付文書の読み方(基礎知識)をご覧いただくことで、添付文書の読み方の概要を理解することができます。

 

基礎知識編でもお伝えした通り、添付文書は「医師」のために書かれています。また、重要と考えられる項目については、添付文書の前の方に配列するよう規定されています。つまり、添付文書は、医師が医薬品を「処方する上で重要な順番」で構成されています。

「警告」「禁忌」

これらの項目は非常に重要な情報であり、添文書本文の冒頭に赤枠で目立たせて記載するよう規定されています。

 

警告」とは、医薬品が適切に使用されない場合に、死亡例が出たり元には戻らない副作用が発現する可能性があるなど、非常に注意すべき情報であり必ず守るべきです。

 

禁忌」とは、使用すべきではない患者の症状、疾患、合併症、一緒に使用すべきでない医薬品の名前などの情報です。

 

「禁忌」の他に「原則禁忌」という項目があります。「原則禁忌」は、使用すべきでない「禁忌」とは異なり、ほかに有効な治療法がない場合に限り、注意しながら使用しても構いません。その際に注意すべき情報が「原則禁忌」であり、「禁忌」とは異なることを理解しなければなりません。

 

「禁忌」に書かれている情報は基本的に守らなければなりませんが、絶対ではありません。例えば、一般用医薬品(イブA錠など)としてもよく知られているイブプロフェン錠(痛みと発熱に効く解熱鎮痛剤)は、重篤な「肝障害がある患者」が禁忌として記載されています。しかし、この肝障害はイブプロフェンが肝臓に負担をかけるためではなく、イブプロフェンという物質に対してアレルギーがある方が服用すると肝障害が悪化してしまう危険があるため、禁忌として記載されています。もしも、肝臓の病気があるからといって解熱鎮痛剤を使用しない判断をした場合、治療できる病気を治療できず、生活の質(QOL)が下がってしまうかもしれません。

「効能・効果」「用法・用量」

効能・効果の項目には、書かれていない効能・効果があるため注意が必要だと、基礎知識編にてお伝えしました。その点に加え、用量(使用する量)で「効能・効果」が異なる医薬品が多く存在する点にも注意が必要です。

 

例えば、認知症の進行を抑える医薬品であるアリセプト錠は、アルツハイマー型認知症には5mg、レビー小体型認知症には10mgを経口投与するよう記載があります。しかし、この文に「症状により適宜減量する」との記載もあります。つまり、医師が症状を診断しながら薬を減らしても良いと規定されています。つまり、アリセプト錠5mgを服用しているからといって、アルツハイマー型認知症だとは限りません。添付文書が作られた際の「試験結果」よりも、少ない量で薬が効く場合も多くあります。

 

服用している薬を調べ「病気を知ること」は悪いことではありません。しかし、その情報だけを「鵜呑みにしてしまうこと」は、治療の妨げとなる可能性も高く大変危険です。

「副作用」

添付文書には、非常にたくさんの副作用が記載されています。基礎知識編でもお伝えした通り、記載されているからといって全ての副作用が起こるわけではありません。薬剤師は、副作用を「薬の作用過剰」「薬の毒性」「薬の過敏症」に分類して考えています。

 

薬の作用過剰」とは、薬が体の中に多く存在してしまっている状態で起こる副作用です。起こる頻度は大きいですが、薬の量を減らすことで対処可能です。薬は、使ってみなければ、どれくらいの効果があるのか分かりません。例えば、血圧が160mmHgの患者さんに血圧を下げる薬を使う場合、人によっては120mmHgに下がりますが、150mmHgにしか下がらない方もいます。これは、主に薬が吸収される量や、薬が排泄される量が人によって異なることによって起こります。血圧を下げる薬が効きすぎて、ふらついたり、頭痛が起こってしまう場合は「薬の作用過剰」による副作用が考えられます。しかし、頭痛が起こったからといって薬を中止しなければならないわけではなく、その副作用は初期だけで慣れる場合も多いのです。つまり、副作用によるリスクと薬のベネフィットを考えた上で、薬の服薬を考えなければなりません。

 

薬の毒性」とは、薬そのものが体に悪さをすることで起こる副作用です。薬を飲み始めた初期には起こりづらく、長い期間薬を飲み続けていたり、薬の量が多い状態がつづいた場合に起こりやすいとされています。腎臓への障害、肝臓への障害が主な症状です。腎臓や肝臓への障害は、血液検査で調べることが可能ですので、定期的な血液検査が重要です。

 

薬の過敏症」とは、花粉症や食物アレルギーと同様の仕組みで起こります。比較的早く、数十分で起こる場合もありますが、6ヶ月以内に起こる場合がほとんどだと言われます。全身に蕁麻疹がでたり、ひどい場合は息苦しさや血圧低下などの症状が起こる場合もあります。薬の過敏症が起こってしまうと、多くの臓器に負担がかかり命を落とす危険もあるため、すぐに薬を中止しなければなりません。

 

副作用をしっかりと分類し考えなければ、中止すべきでない薬を中止してしまうことは、治療の幅を無駄に狭めてしまうため損をしてしまいます。また、中止すべき薬を中止できず重篤な健康被害が起こる場合があるため注意が必要です。

「相互作用」「併用注意」

併用注意とは、薬の飲み合わせをさします。ここに書かれている薬剤名は、実は全体の一握りです。例えば、ロキソニン錠の添付文書にはボルタレン錠や座薬などの、一緒に使うことで胃潰瘍の危険性を高めるであろう薬剤名は書いてありません。その点に関する注意は、重要な基本的注意の項目に「他の消炎鎮痛剤との併用は避けることが望ましい。」と記載されています。つまり、「併用注意」の項目だけでは、本当に注意すべき薬の飲み合わせはわからないということに注意が必要だということです。

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