「特に慎重な投与を要する薬物のリスト」の対象

​高齢者は、薬による有害事象の頻度が高く、重症例が多いといわれます。薬物療法の安全性を高めるために、「高齢者の安全な薬物療法ガイドライン2015:日本老年医学会」が作成されています。その中から、特に注意するべき内容をまとめました。

 

一般的に、65歳以上の方を高齢者といいます。その中でも、65歳から74歳までを「前期高齢者」75歳以上を「後期高齢者」といいます。

 

「高齢者の安全な薬物療法ガイドライン2015」において
「特に慎重な投与を要する薬物のリスト」の対象は、次のような高齢者をさします。

 

①75歳以上の高齢者
②フレイル状態の高齢者
③要介護状態の高齢者

 

フレイル(虚弱)とは、
加齢に伴い身体の予備能力が低下し、健康障害を起こしやすくなった状態をさします。身体的問題、精神・心理的問題、社会的問題を抱えた「介護が必要となる前段階」と考えられています。

  • 身体的問題:筋力が低下する、動作が緩慢になる、転倒しやすくなる、低栄養など
  • 精神・心理的問題:認知機能障害やうつなど
  • 社会的問題:独居や経済的困窮など

 

留意点

さらに、慢性期、特に1ヶ月以上の長期投与を基本的な対象としています。病気の急性期から亜急性期は、専門治療が必要な場合が多く、薬物療法は「個々の患者に合わせて」行うことが多いためです。

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参考:日本老年医学会
高齢者の安全な薬物療法ガイドライン2015
(Amazonにリンク)
より詳しい情報知りたい方は、書籍の購入をオススメします。



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