認知症の周辺症状(BPSD)|高齢者と薬


認知症の周辺症状(BPSD)|高齢者と薬

認知症の周辺症状(BPSD)

認知症の周辺症状(BPSD)に対して、抗精神病薬を使用する場合の注意点
①抗精神病薬の使用は「必要最低限の量と期間」にとどめる。
定型抗精神病薬は、非定型抗精神病薬と比べて錐体外路症状(※)・傾眠などの副作用が多くみられるため使用はできるだけ控える。

①日本老年医学会の推奨度:強、エビデンス(根拠)の質:中
②日本老年医学会の推奨度:強、エビデンス(根拠)の質:中
※錐体外路症状とは、脳や神経路の異常であり、からだの震えやこわばりのような症状がおこります。抗精神病薬の注意するべき副作用のひとつです。

 

特に慎重な投与を要する薬物のリスト(一部を紹介)
対象:認知症患者全般

 

定型抗精神病薬:できるだけ使用を控えるよう推奨される。

代表的な一般名 代表的な商品名 備考
ハロペリドール セレネース 幻覚、妄想に使用される。錐体外路症状が起こりやすい。パーキンソン病の患者には禁忌。
クロルプロマジン ウインタミン/コントミン 鎮静作用が強く、躁病、不安、緊張、抑うつにも使用される。
レボメプロマジン ヒルナミン/レボトミン 鎮静作用が強く、躁病、不安、緊張、抑うつ、少量で睡眠薬としても使用される。

死亡率や脳血管障害のリスクが高まる報告があります。

 

非定型抗精神病薬必要最小限の使用にとどめることが推奨される。

代表的な一般名 代表的な商品名 備考
リスペリドン リスパダール 抗幻覚作用が強い。体重増加や血糖上昇は起こりにくい。
オランザピン ジプレキサ 催眠効果が強く、双極性障害に対する作用がある。糖尿病患者には禁忌。
アリピプラゾール エビリファイ 鎮静作用は弱く、体重増加や血糖上昇は起こりにくい。
クエチアピン セロクエル 催眠効果や抗不安作用が強い。糖尿病患者には禁忌。
ペロスピロン ルーラン 抗幻覚作用、抗不安症がある。

精神病症状、興奮、攻撃性などに効果が報告されています。しかし、錐体外路症状、血糖上昇、傾眠、尿路系合併症のリスクがあります。また、死亡率や脳血管障害のリスクが高まる報告もあります。

他の「BPSDに使用される薬」

認知症の症状は、認知機能障害、周辺症状(BPSD:Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia)、身体・神経障害に大別されます。BPSDは、幻覚、妄想、うつ、不安、焦燥、興奮、攻撃性、徘徊など、多彩な症状が含まれます。

 

BPSDは、患者本人だけでなく、介護者の心理的・身体的負担を増加させます。対応として、まず誘因の検索、ケアの工夫、環境の整備、福祉サービスを行います。しかし、改善しないときには、薬による治療を検討します。以下の3種類などが用いられますが、緊急度が高い場合には抗精神病薬の使用が検討されます。

 

抑肝散
認知症患者の興奮、攻撃性、幻覚、妄想などに対する効果が報告されています。錐体外路症状の副作用はみられませんが、低K血症の副作用に注意が必要です。

 

バルプロ酸(商品名:デパケン他)
興奮や攻撃性に対する効果があると考えられていたが、ランダム化比較試験(RCT)では否定的な結果となっています。痙攣が頻発するケースに使用されます。

 

カルバマゼピン(商品名:テグレトール他)
アレルギー反応が出現しやすいので注意が必要です。痙攣が頻発するケースに使用されます。

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