お薬手帳の活用例まとめ(日常から緊急時まで)

お薬手帳とは、簡単にいうと、「あなたのお薬の歴史を刻む記録帳」です。手帳にシールを貼ることが目的ではありません。

 

薬局で勧められるお薬手帳は、たくさんのメリットがありますが、その全てを伝えるには時間がかかります。そのため、大切さのすべてを薬剤師が伝えきれない場合があります。「お薬手帳なんていらない」と言う前に、一度、お薬手帳のメリットをご覧下さい。

お薬手帳の活躍

災害時とお薬手帳
震災など大規模災害の際、医療機関の電子データが使えなくなる可能性が高いです。その際に、あなたが今まで使っていた薬について、誰も分からない状況になります。しかし、お薬手帳があれば、今まで飲んでいたお薬を証明し、薬をもらうことができます。つまり、お薬手帳は、いざというときに必要なものです。

 

2011年(平成23年)3月11日(金)に発生した東日本大震災の際に、お薬手帳を持っていた方はお薬をもらうことができたそうですが、お薬手帳がない方はどんなに重い病気でもお薬をもらうことができなかったそうです。保険証や受給者証と一緒に、お薬手帳を持ち歩くことをオススメします。

 

また、2016年(平成28年)4月14日、4月16日に発生した熊本地震においても、お薬手帳がある方は持病に対してスムーズに薬が交付されるなど、有効性が再確認されました。

 

事故とお薬手帳
事故に巻き込まれたときや、熱中症で倒れたときなど。救急車で運ばれた場合には、0から診察ではなく、疾患を考慮して治療を迅速に行うことができます。つまり、一刻を争う緊急時に「命を救ってもらうために」非常に重要です。

 

 

お薬手帳から読み取る情報
医療者は、お薬手帳に書いてあることから様々な情報を読みとります。例えば、「最近、眼科でビタミンの目薬が処方されている。」と判ったとします。その目薬と飲み薬の飲み合わせだけでなく、「眼科に行っている」という事実が判ります。
→「眼科に行っているが、緑内障の目薬が処方されていない」
→「緑内障を持っている可能性は低い」
→「緑内障がある方に使ってはいけない薬を使うことができる(可能性は高い)」

 

緑内障は、失明につながる恐ろしい病気です。緑内障の方へ使ってはいけない薬がたくさんあります。
(間違った薬を使ってしまうと、病気を悪化させる可能性があります。)
つまり、緑内障のあるなしが判らないと「使うべき薬が使えない」可能性があります。

 

「最新」の「いつもの薬」の記録が大切です。

 

お薬手帳に記載すると良い情報
▶副作用歴やアレルギー歴を書き込みましょう。
現在飲んでいる薬との相互作用や新しく飲む予定の薬との飲み合わせ等アドバイスができます。

 

▶次回受診日までの症状変化の記載や医師や薬剤師に聞きたいことのメモ書きとして使用できます。
そうすることで、体調や症状の変化を詳細に伝えることができ、適切な医療を受けることができます。

 

▶自分の健康状態が時系列で確認することができるため、生活習慣の改善にも繋がります。

 

▶もちろん、一般用医薬品を買う際にも、飲み合わせの確認をするために必要です。

 

自分はたくさん薬を飲んでいないから、お薬手帳は不要?
いいえ、若いうちから、お薬手帳を持っていることは非常に重要です。これから長い人生の中で、薬を飲んだことがある(その薬は安全に使用できる)事実を蓄積する事で副作用アレルギーに対する「適切な診断」を受けることができます。以前服用していた薬が分かれば、以前感作されていたことが分かります。(薬物の過敏症が起こった際には、)アレルギーがある薬の特定へ繋がります。

 

お薬手帳提示にるさらなるメリット
つまり、お薬手帳を、医師や薬剤師などの医療者に見せることは、責任を与えるということです。他に飲んでいる薬(併用薬)との飲み合わせや、副作用、アレルギー歴を確認するという責任です。お薬手帳を医療者に見せることで、「受けられる医療の質」を簡単に上げることができます。

お薬手帳のかたち

薬の記録ができる帳面であれば、「お薬手帳」というものでなくても構いません。お薬手帳の目的は「命を守ること」なので、コンビニで売ってある手帳やディズニーランドで買ったメモなど、なんでも良いのです。

  • 2-3年分の記録が記載できる厚さの帳面が理想
  • 薬による治療の内容は、いつから飲み始めた等、もれなく記載されていることが望ましい
  • 今までにかかった病気の名前、薬や食べ物での副作用やアレルギー歴があることが望ましい

 

スマホ等で撮った写真を使って、簡単に写真入のお薬手帳を500円で作れるサービスもあります。「TOLOT」(外部サイト)

【お薬手帳に関するおもしろい動画】

 

 

【明日からできる!する一歩】
★今、記録できていない内容をお薬手帳に記録しましょう
 何の(薬・食品)アレルギーでどのような症状が起こったのか?(できれば時期も)記録しましょう
 「今使っている薬(目薬や塗り薬も全て)」をお薬手帳に記録しましょう
★お薬手帳を保険証と一緒に鞄に入れましょう
★お薬手帳を持っていない人に、「お薬手帳の重要性」を教えてあげましょう

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