お薬手帳とお金(平成30年4月以降)

平成30年4月以降(これまで同様に)、お薬手帳を薬局に持参すると、一定条件(※)のもと料金が12点安くなります。1点が10円ですので、3割負担の方で36円(30円から40円)安くなる計算です。

 

 

 

はじめて薬局を利用する場合は、基本的に薬剤服用歴管理指導料として53点(3割負担で150~160円)の料金が発生します。そして、その6か月以内にお薬手帳を持って、同じ薬局を利用すると薬剤服用歴管理指導料が41点(3割負担で120~130円)になります。

 

これは、同じ薬局の利用や、お薬手帳を普及させるための仕組みです。お薬手帳は、紙製品だけでなく、日薬eお薬手帳のようなアプリ(スマートフォン)も使用できます。(ページ下部にリンクあり)

 

【薬剤服用歴管理指導料】
1 原則過去6月内に再度処方せんを持参した患者に対して行った場合 41点
2 1の患者以外の患者に対して行った場合 53点

 

[算定要件]
1及び2については、患者に対して、次に掲げる指導等の全てを行った場合に、処方箋受付1回につき所定点数を算定する。ただし、手帳を持参していない患者又は区分番号00の1に掲げる調剤基本料1以外の調剤基本料を算定する保険薬局に処方箋を持参した患者に対して、次に掲げる指導等の全てを行った場合は、本文の規定にかかわらず、処方箋受付1回につき、53点を算定する。

 

上記、青字の薬局は、いわゆる大型門前薬局とよばれ、「処方せんの受付回数が非常に多い薬局」や、「決まった医療機関の処方ばかり受け付ける薬局」をさします。

 

また、お薬手帳の活用が推進できていない薬局は、特例として「処方箋受付1回につき、13点を算定する。」といったルールもあります。つまり、薬局によって料金が異なります。

 

普段利用する薬局が、どの基準に当てはまるのは、薬局スタッフに尋ねるか領収明細書によって確認できます。

 

※ 一定条件
① 6か月以内に同じ薬局を利用していること
② 利用する薬局が大型門前薬局でないこと

 

 

多くの人にお薬手帳を使ってもらうための料金設定
お薬手帳を持参した患者は「アレルギー歴、副作用歴、主な既往歴等の情報をお薬手帳の記載から基本的に確認できる」が、お薬手帳を持参しなかった患者は「これらの情報を患者からの聴取等により確認することになる」ため、低額化は「その行為に要する費用の差を考慮」したとのことです。つまり、この報酬改定(料金変更)は、一人でも多くの人にお薬手帳を使ってもらうためだと考えられます。(平成28年5月20日)

お薬手帳とその役割

お薬手帳とは、いつ、どこで、どのような薬をもらったのか記録する手帳です。安全な治療のために必要な「基本情報」と「毎回更新する情報」が記載されます。

 

基本情報
名前・性別・生年月日・血液型
住所・電話番号・緊急連絡先
副作用歴・アレルギー歴
主な病気の履歴

 

 

毎回更新する情報
服用する薬の名前(健康食品等を含む)
服用方法・服用量、回数
薬の相互作用や注意点
受診した医療機関の名称

 

これらの情報は、薬や身体に関する大切な記録です。薬局は、調剤日、投薬に係る薬剤の名称、用法、用量、その他服用に際して注意すべき事項を手帳に記載すること。」と決められています。

 

つまり、薬局(薬剤師)は、「お薬手帳で患者さんの情報を確認し、手帳を介して情報提供を行うべき」だということです。

お薬手帳の意義及び役割 (厚生労働省資料)
1お薬手帳は、利用者本人のものであり、次の意義及び役割があること。
1 利用者自身が、自分の服用している医薬品について把握するとともに正しく理 解し、服用した時に気付いた副作用や薬の効果等の体の変化や服用したかどうか等を記録することで、医薬品に対する意識を高めること。

 


2 複数の医療機関を受診する際及び薬局にて調剤を行う際に、利用者がそれぞれの医療機関の医師及び薬局の薬剤師等にお薬手帳を提示することにより、相互作用や重複投与を防ぎ、医薬品のより安全で有効な薬物療法につなげること。
出典:薬 生 総 発 1127第 4 号

お薬手帳の活用方法

携帯するのは面倒だという声もありますが、思った以上に役立つ手帳です。

 

役立つポイント
①薬の重複を防止できる
②薬や健康食品、サプリメント等の良くない飲み合わせを防止できる
③同じ薬による副作用の再発を防止できる
④出先で病気になったときや災害時に、飲んでいる薬の正確な情報を伝えることができる

 

また、複数の病院(医療機関)でもらった薬やサプリメント等の「飲み合わせ」を、薬剤師や歯科医師、医師に確認してもらうためのツールでもあります。お薬手帳をより活用するために、より多くの情報を書き込むことをおすすめします。

 

・○○(薬の名前)は、よく効いた。
・▲▲(薬の名前)は、蕁麻疹が出た。(蕁麻疹がでたのは、どの部位に?薬のを飲んで約何分後?)
・◇◇(薬の名前)は、あまり効果がなかった。(そう思ったのは、いつ?どのくらいの期間薬を飲んでから?)

 

は、時として、命に関わる副作用を起こしてしまいます。そして、人は「その副作用」を記憶し続けることは困難です。しかし、お薬手帳さえあれば、「その副作用」を記録することができます。お薬手帳を活用できなければ、命を落とす危険につながります。

 

 

 

毎回、お薬手帳を薬剤師に提示することは、正直面倒かもしれません。しかし、災害の時はお薬手帳が「薬を飲んでいる証明書」となり、処方せんがなくても薬がもらえる場合があります。より安全有効な薬物療法を行うために、お薬手帳は非常に大切です。活用方法をしっかり伝えてくれる薬局(薬剤師)を選んでください。

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