年間475億円の残薬問題

飲み忘れや病院受診の間隔によって、薬が余ることが実際に多く起こっています。必要以上に余った薬のことを「残薬」といいます。平成24年度より、薬剤師による残薬の確認が本格的にはじまりました。

 

厚生労働省の調査よると、「残薬の減量を求められたことがあると回答した薬局は約9割」であり、ほとんどの薬局でこの「残薬の問題」がおきているといっても過言ではありません。

 

 

また、厚生労働省の調査では、「医薬品が余ったことがある患者が約5割」であることもわかります。つまり、半数の患者さんは、残薬を発生させた経験があるということです。

 

朝日新聞デジタル 2015年4月8日(水)7時34分配信
高齢者宅から薬が大量に見つかる事例が目立っている。「残薬」と呼ばれ、多種類を処方された場合など適切に服用できず、症状の悪化でさらに薬が増える悪循環もある。年400億円を超えるとの推計もあり、薬剤師が薬を整理し、医師に処方薬を減らすよう求める試みが広がる。

 

日本薬剤師会は2007年、薬剤師がケアを続ける在宅患者812人の残薬を調査。患者の4割超に「飲み残し」「飲み忘れ」があり、1人あたり1カ月で3,220円分が服用されていなかった。金額ベースでは処方された薬全体の24%にあたり、厚労省がまとめた75歳以上の患者の薬剤費から推計すると、残薬の年総額は475億円になるという。
  出典:朝日新聞社(一部引用)

 

飲み忘れ薬剤費の粗推計(47471044千円≒475億円)

出典:後期高齢者の服薬における問題と薬剤師の在宅患者訪問薬剤管理指導ならびに居宅療養管理指導の効果に関する調査研究報告書(日本薬剤師会)

 

この残薬問題を解決するために、薬局・薬剤師の活躍が期待されています。

 

(厚生労働省資料:実際の残薬)

 

 

【薬局の求められる機能とあるべき姿】
薬局は、患者さんの飲み忘れ、飲み残し等による残薬を確認すべきです。そして、飲み残し等が生じていることが確認された場合には、新たに患者さんにお渡しする医薬品の減量(残薬調節)をするなどの取り組みを行う必要があります。

 

その際には、使用期限を確認することや、残薬が生じる原因を考察するなどの対処も行うべきです。実際の、残薬の解決方法と日本の医療費については、こちらをご覧下さい。

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