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「行動変容」の5つのステージを知ることで人の行動を変えられる

生活習慣病の方に、運動するように伝えても、すぐに運動する人はほとんどいません。頭では「運動が大切だ」とわかっていても、人の行動はそう簡単に変わるものではありません

 

人が行動を変える場合には、「無関心期(前熟考期)」→「関心期(熟考期)」→「準備期」→「実行期」→「維持期」という「5つのステージ」を通ると考えられています。(行動変容ステージモデル

 

5つのステージの「状態」と「特徴」、「糖尿病へ運動の重要性を伝える場合の例」を次の表にまとめました。

 

5つのステージの状態と特徴

  無関心期 関心期 準備期 実行期 維持期
状態 行動を変えようと思っていない 必要は感じているが、行動にはうつしていない 行動を変えようと思い、自分なりに行ってみる 行動を変えて、6ヶ月未満 行動を変えて、6ヶ月以上継続している
特徴 否定的な発言が多い 言い訳が多い 継続する自信がない 頑張っている 生活の一部となっている
糖尿病と運動(例) 運動が大事だとわかっていないか、運動から目を背けている状態 運動が大切だと気付いているが、なかなか運動できない状態 運動の重要性を理解して、運動をはじめようとしている状態 負担感は感じながらも運動をしているが、定着していない状態 定期的な運動をしており、それが6ヶ月以上継続されている状態

次のステージへ進むための働きかけ

人の行動を変えるためには、各ステージの状況を把握し「それぞれのステージにあった対策(働きかけ)」がとても重要です。

 

1. 無関心期への働きかけ
行動を変化させることのメリットを伝えることや、このままでは「まずい」と思わせると効果的です。人への働きかけだけでなく、環境を変化させることもひとつの手段です。無理に動かそうとしてはいけません。

 

2. 関心期への働きかけ
このまま行動が変わらなければ、良くないというイメージをもたせ、さりげなく「行動変化」の提案をします。行動を変化できた自分を、ポジティブにイメージさせると効果的です。

 

3. 準備期への働きかけ
うまく行動できるという自信を持たせるために、ほめたり、認めることが効果的です。「これからはじめること」を周りの人に宣言してもらっても良いでしょう。

 

4. 実行期と維持期への働きかけ
継続できるように支援し、逆戻りしない対策をすべきです。継続していることに対して「ごほうび」を与えることや、周りからのサポート体制など、環境づくりも大切です。

 

行動変容が進んでいく際、常に「無関心期」から「維持期」に順調に進んでいくとは限りません。運動をはじめてもやめてしまうように、前のステージに戻ってしまう「逆戻り」という現象がおこる場合もあります。逆戻りを起こさないように、定期的に働きかけを行いましょう。

 

まとめ
このように、行動変容を知ることで、人の行動を変えることができます。周りのサポート(定期的な働きかけ・声かけ)があることで、生活習慣病の方が運動を行うようになれば、薬の量が減るかもしれません。

 

 

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