心臓のつくりを知る|心臓と不整脈

薬剤師は、薬に関するスペシャリストです。薬に関する知識は、医師や歯科医師に負けてないはずです。しかし、人の身体に関する知識が少ない弱点があります。人の身体を知らなければ、どのように薬が効き、人にどのような影響を与えるのか正確に判断することができません。

 

もちろん、医療に完全はなく、「正確に判断」というのは無理かもしれません。しかし、人の身体に関するより多くの知識を身につけることで、より多くの患者さんの役に立つことができるはずです。

 

 

「心臓と不整脈」は7章で構成されます。

 

第1章 心臓の構造
第2章 心臓の動きを理解するための予備知識
第3章 “動く心臓”のつくりかた
第4章 イオンやポンプ、チャネルとは
第5章 心臓の動きを理解するために
第6章 心臓の不整な動き理解する
第7章 不整脈への対応と薬

 

 

私の師匠が「薬剤師のために書いた著書」を一般向けに編集させていただきました。一般のみなさん、薬剤師がより正しく、より良い知識を身につけることで「医療業界全体」を進化させることができると考えています。

 

心臓と不整脈のページでは、Na+イオン、Ca2+イオン、K+イオンは、見やすくするためにNa、Ca、K(イオン)と記載しています。

 

心臓は、筋肉質の臓器であり、収縮によって血液の循環を行うポンプの役目を担っています。身体の細胞が生きていくためには、常に血液によってエネルギー源や酸素を受け取り、老廃物や二酸化炭素を運び出す必要があります。

 

心臓が機能を停止することは、代謝や呼吸ができなくなることであり、生き物のを意味します。ご存知のとおり、心臓は非常に重要な器官なのです。また、心疾患はがんに次いで死亡率の高い病気であり、心臓を知ることは非常に大切です。

 

 

なぜ心臓は、狂うことなく動き続けることができるのでしょうか。

 

心臓は、電気刺激によって収縮し、全身に血液を送り出しています。電気刺激は右心房にある洞房結節(洞結節)から発生し、心房を介し右心房の下方にある房室結節へ伝わります。この刺激によって、心房が収縮します。

 

 

さらに、電気刺激は房室結節からヒス束、右脚、左脚プルキンエ線維へと伝導し、心室へ伝わります。ここで、心房と心室とでは、電気刺激を受ける時間差があるために、心房の収縮に遅れて心室の収縮が起こります。この差によって、心房から心室へ血液を送ることができます。

 


出典 「生理学テキスト」

 

この電気刺激は、約0.3秒の間に発生し伝わります。心臓には、約3,000億個の細胞があるといわれています。その3,000億個の細胞が、正しく電気刺激を伝え、正しく収縮するのは大変なことではないでしょうか。

 

心臓では、電気刺激が心臓の細胞に伝わり、細胞の興奮が起こります。そして、心臓の収縮や電気刺激の伝達が行われます。

 

「心臓の細胞の電気刺激とは、どのようなものなのか?」
「なぜ、心臓の部位によって興奮の伝わり方が違うのか?」
など、心臓が動く仕組みには、多くの不思議があるように思えます。

 

上図にあるように、心臓の電気刺激は、心臓の部位によって種類があります。そして、その電気刺激の種類には、それぞれ役割があるのです。

 

 

続いて、心臓の電気刺激、心臓が興奮するときについて

 

 

【薬剤師じゃなくても薬がわかる本】

 

 

 

 

 

 


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