薬の作用とADL(日常生活動作)


薬の作用とADL(日常生活動作)

薬の効果とADL(日常生活動作)

ADL(日常生活動作)とは、我々が普段の生活で行う「活動の能力」をさします。薬の作用(効果や副作用)によって、ADLが上がったり、下がったりすることがあります。薬剤師は、患者さんとの会話を通じて、ADLの確認をおこなっています。

 

薬剤師から、「変わりないですか?」などと聞かれるときがあると思います。その意図は、食事・睡眠・排泄・認知機能・運動機能が変わってないですか?ということです。これらの5項目を確認することで、ADLの確認や薬の作用(効果があるか、副作用は出ていないか)の確認を行います。

 

食事:「食事はうまくできているか?食欲は低下していないか?」
睡眠:「睡眠はとれているか?寝付きは悪くないか?」
排泄:「便は固くないか?やわらなくないか?夜間の頻尿などで困ってないか?」
認知:「物忘れが増えてないか?」
運動:「動きづらさなどの悪化はないか?」

 

このような質問から、薬剤師はいろいろなことを考えます。薬の副作用によって口が渇く場合には、食事がおいしくなくなり、食欲の低下がおこってしまいます。その際、医師と相談し口の渇きが起こりにくい薬への変更を行う場合もあります。また、食事・睡眠・排泄・認知機能・運動機能は、QOLを下げないためにも必要です。

 

 

【五感を使い体調の変化を確認する】
薬剤師は、医薬品の情報提供及び薬学的知見に基づく指導を対面で行わなければなりません。この理由のひとつとして、視覚聴覚嗅覚触覚味覚の五感を用いたチェックが求められています。

 

以下の、チェックポイントを確認し、アセスメントの項目にある症状などが起こっていないか評価を行います。起こっている場合は、それが薬によるものなのか判断し、医師に連絡や処方提案などの適切な対応を行います。

 

  チェックポイント アセスメント(全てに~などが付きます)
1.挨拶のときに 返答:返答有無、誰かわかっているか、意識障害、せん妄、無気力 認知/認識能力低下、意識障害、錯乱、せん妄、精神障害の原因
(視覚、聴覚、嗅覚) 目:白内障、眼震、目焦点、目やに、眼の粘膜疹 視力、目の状態、Stevens-Johnson(SJ)症候群
  耳:聞こえているか 聴力、耳の状態
  顔:表情、笑顔有無、血色、肌荒れ、乾燥 抑うつ、栄養、乾燥状態
  唇:チアノーゼ、乾燥、荒れ、口角炎 低栄養、ビタミン不足、口渇、
  口:口内乾燥、口臭、義歯の不具合、虫歯、歯肉炎、歯肉の浮腫、歯肉出血、口内炎、口腔粘膜疹 口腔清掃不足、歯肉肥厚、抗がん剤などの影響、SJ症候群
  体:身なり、体臭、尿臭、便臭、発汗、けいれん 認識能力低下、尿便失禁、発汗・けいれん:セロトニン症候群
  呼吸:R音、呼吸困難、咳、空咳 肺炎、喘息、肺気腫、うっ血性心不全、間質性肺炎
2.握手したときに 手指/皮膚:冷感、乾燥、発熱、関節拘縮、筋萎縮、ふるえ、しびれ、けいれん 末梢循環不全、脱水、錐体外路症状(薬剤性パーキンソニズム)、悪性症候群、セロトニン症候群、偽アルドステロン症
(触覚) 爪:状態、色 爪白癬、血行/栄養状態
  握力:有無、左右差、脱力感、筋力減退 脳梗塞後遺症/再発、過度の筋弛緩、偽性アルドステロン症
3.歩行時の観察 歩行:小股歩行、動作緩慢、しびれ、歩行障害 錐体外路症状(薬剤性パーキンソニズム)、横紋筋融解症、偽アルドステロン症、正常圧水頭症、小脳変性
(視覚) ふらつき:転倒、運動障害 筋弛緩作用、起立性低血圧
4.食事時の観察 食事:介助状態、食事内容(普通食、流動食、ゼリー食など) 自立か介助の必要有無、その状態の程度の把握
(視覚、味覚) 嚥下状態:嚥下困難/むせこみの有無 加齢による機能低下、錐体外路症状(薬剤性パーキンソニズム、ジスキネジアなど)、咽頭筋萎縮
  食欲/味覚:有無、吐き気 胃炎、胃潰瘍、逆食、味覚異常、SJ症候群、ライエル症候群
  ふるえ:茶碗、お箸、スプーン使用状況 本体性振戦、錐体外路症状(薬剤性パーキンソニズム)、悪性症候群、セロトニン症候群

出典:ApoTalk No.41(川添先生提供資料)

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