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心臓が動くためのチャネルやポンプ

心臓が動くためには、主にNaCaKなどのイオンと、Na-KポンプNaチャネルCaポンプNa/Ca交換系KチャネルT型/L型 Caチャネルが必要です。

ほとんどのチャネルは、細胞内外のイオン濃度で生じた電位差に合わせて開いたり閉じたりします。それぞれのチャネルは、決まった電位差になれば開き、また特定の電位差になると閉じるというものがほとんどです。

 

しかし、厳密に固定した電位とは思わないでください、状況により変動するものです。また、足並みそろえて一斉に開いたり閉じたりはできないものだと考えられます。

最も大事なNa-Kポンプ(Na‐K ATPase)

細胞外にNaイオンを出し、細胞内にKイオンを入れるポンプです。このポンプがあるから生物は生きていられます。大事なポンプであり、多くのエネルギーが必要です。心臓が弱り、エネルギーがつくれなくなると、このポンプも動けなくなるため危険です。

 

 

このポンプは、細胞内外の濃度差・電位差(静止状態、分極)をつくるためにも必要なメインポンプです。ATP(身体のエネルギー)を使って、3個のNaイオンを細胞の外に、2個のKイオンを細胞の内に運びます。

 

このポンプを利用しているのは、心臓だけではありません。このポンプの存在が我々に生命を与えてくれていると言われています。それほど貴重なポンプです。

 

 

【ジギタリスとNa-Kポンプ】
ジギタリス(医薬品名:ラニラピッドなど)は、このポンプの機能を抑えます。つまり、ジギタリスを投与することで、細胞内のNaイオンが外に出ることができず細胞内に多く残ります。この状態のままでは、Naイオンが細胞外に出られないため、Na/Ca交換系が代わりに機能しNaイオンを外に出します。

 

 

そして、Caイオンが細胞内に流入し、Caイオンの濃度が上昇し、心臓が強く収縮します。これは、Caイオンは筋収縮力を増大させる働きがあるためです。このような作用により、ジギタリスは強心作用を示します。

電位依存性Naチャネル

電位差が-90mVから徐々に浅くなり、約-65mVになるとNaチャネルが開きます。Naイオンが細胞内に入ることで、細胞の興奮がはじまります。

 

 

心房、心室、プルキンエ線維(ヒス束、脚を含む)などの細胞には、このNaチャネルがあります。例えば、心室細胞の静止期の電位差は約-90mVです。そこにイオン(ギャップ結合から)が入ってきて約-65mVに浅くなるとNaチャネルは開くのです。

 

心房プルキンエ線維のチャネルでも同様に開き、Naイオンの流入によって細胞は興奮します。Naチャネルが開いてNaイオンが入り、終わると大半のチャネルは閉じます。すべてのチャネルが一斉に閉じるのではなく、ゆっくりと閉じるものもあると理解しておいてください。

 

心臓に障害が起こった場合、その障害部位では、ゆっくりと閉じるチャネルが多くなります。つまり、心筋梗塞後など細胞の障害があると、細胞の興奮(電気刺激の発生)がうまくいかなくなります。そして、心臓の動きが整わず、不整脈がおこりやすくなります。

 

また、洞結節房室結節において、電位差は深くても約-50~-60mVです。つまり、Naチャネルが、洞結節や房室結節に関わることはありません。これらの部位では、NaイオンではなくCaイオンが主役なのです。

 

人が進化していく段階で、細胞外に最も多いNaイオンを細胞内に取り込むのが、細胞の興奮には手っ取り早い、と考えたのでしょう。その興奮のためにつくられたのが、このNaイオンの通過できる道(チャネル)だと思います。決められた状況になれば開くけど、中途半端では開かない。また、細胞が興奮しつづけても困るので、興奮したら早めに閉じてしまいます。Naチャネルとは、このようなチャネルなのです。

 

 

続いて、T型/L型 Caチャネルの詳細

 

 

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