細胞と電位(分極・脱分極)|心臓と不整脈


細胞と電位(分極・脱分極)|心臓と不整脈

細胞と電位(分極・脱分極)

心臓の細胞において、主に働くイオンはK、Na、Caイオンです。これらのイオンは、細胞内外にわかれて濃度差をつくっています。以下の図は、心室の細胞(静止状態)を表していますが、細胞内にはKイオンが多く、細胞外にNa、Caイオンが多く存在します。

 

 

細胞が興奮し、電気刺激を発生させるためには、細胞外から細胞内にイオンが飛び込むことのできる状態が必要です。つまり、細胞内と細胞外において、イオンの濃度(mM)が異なり、細胞内が(細胞外に比べて)マイナスである状態が必要です。その状態を静止状態といいます。

分極

分極(状態)とは、細胞内外において、各イオンのつりあいがとれた状態です。そして、細胞内外には、大きな電位差(イオンの濃度差)がある状態です。

 

まず、NaイオンはNa-Kポンプで細胞外に出され、Kイオンは細胞内に入ります。

 

 

Caイオンは筋小胞体に入れられ、残りはNa/Ca交換系で細胞外に移動します。

 

 

 

入ってきたNaイオンは、先のNa-KポンプでKイオンと交代に外に出されます。

 

 

つまり、KイオンはNaイオンと交代で、無理やり細胞内に入れられるのです。入れられた後、Kイオンは、Kチャネルから細胞外へ出て行きます。

 

 

このような流れで、細胞外はNa、Caイオン、細胞内はKイオンが多く存在するという、落ち着いた状態(静止状態)になります。

 

 

先述のとおり、この状態において、細胞内は細胞外に比べてマイナス(負)の状態です。細胞膜をはさんで、約-80~-90mVの電位差がつくられています。

 

細胞内がマイナスの状態ですので、Kイオン(プラスのイオン)は細胞内に引っぱられ細胞外に出ることは困難です。(プラスはマイナスに引きつけられるため)また、NaイオンやCaイオンが細胞内に入ろうとしても、チャネルは開いてくれない状態です。

 

つまり、心臓の細胞に関係する3つのイオンが、濃度差と電位差で動けない状態になっています。これが心室・心房細胞などの静止状態(分極状態)なのです。

 

洞結節、房室結節やプルキンエ線維(ヒス束、脚)などでも、心房・心室細胞と同じように分極状態をつくります。洞結節、房室結節では、電位差が約-60mVとやや高めです。これらの部位では、静止状態とは呼びません。(常に活動している細胞で、自動能をもつためだと考えられます。)

脱分極

心臓の細胞が興奮し、電気刺激を発生するには、イオンが動き細胞内がプラス(正)の状態になる必要があります。この変化を脱分極といいます。

 

洞結節では、T型Caチャネルから少しずつCaイオンが入り(緩徐脱分極)、L型Caチャネルの開く電位になり、多くのCaイオンの流入が起こります。これが洞結節での脱分極であり、心臓細胞の興奮の出発点です。

 

 

また、心房細胞、房室結節、プルキンエ線維(ヒス・脚を含む)、心室細胞などでは、洞結節からの電気刺激をもとに、ギャップジャンクションから陽イオン(Kイオンなど)の流入があります。

 

 

そして、分極状態の細胞の電位差が徐々に浅くなり、各イオンのチャネル(房室結節ではL型Caチャネル、その他はNaチャネル)が開く電位(閾値)に到達します。そして、チャネルが開く電位に達すると、イオンの流入が起きます。

 

つまり、電位差がマイナスからプラスに移動し、心臓のそれぞれの細胞が興奮をはじめ、心臓の活動状態になるのです。これが脱分極の詳細です。

 

ポイント:この興奮・脱分極は各細胞の自己管理下で起こります。つまり、各細胞に刺激がやってきて強制的に興奮をさせられるのではなく、その刺激をきっかけにして自分で興奮するのです。細胞の状況が悪ければ興奮しない細胞も現れます。ここにも、不整脈が起こる原因があります。

 

 

続いて、心臓が自動的に動く出発点(洞結節)

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