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認知症とは

認知症は、記憶力や判断力の低下が起こり、社会生活や対人関係に支障がでている状態をいいます。期間としては、6ヶ月以上継続していることが目安です。高齢化がすすみ、認知症の人数も増加しています。

 

平成24年の時点で、認知症の方は462万人であり、高齢者(65歳以上)の約7人に1人が認知症だといわれます。進行すると、一人でトイレにいけない状態や寝たきりの状態になることもあります。

 

一般的に、年齢とともに「もの忘れ」は増えていきます。しかし、この「加齢によるもの忘れ」と「認知症によるもの忘れ」は別物であり、以下のような特徴があります。

 

  加齢によるもの忘れ 認知症によるもの忘れ
体験 夕食のメニューが思い出せない 夕食を食べたこと自体(体験そのもの)を忘れる
自覚 ある ない
日常生活への支障 ほとんどない ある
進行 徐々にしか進行しない 進行する
薬による治療 治療方法なし 治療方法あり(効果は人による)

認知症の分類

認知症には、大きく分けて4つの分類があります。

 

「アルツハイマー型認知症」
4つの分類の中で最も患者数が多い認知症です。人によりますが、記憶障害(もの忘れ)から症状がはじまる特徴があります。他の主な症状としては、段取りが立てられない、気候に合った服が選べない、薬の管理ができない等です。

 

「レビー小体型認知症」
初期から「幻覚」や「幻視」が現れることがあります。また、筋肉のこわばり(パーキンソン症状)、気分や態度の変動が大きくなりがちです。抗精神薬などの薬に対して過敏になるため、薬は少量で使用するなど、慎重な薬物療法が行われます。

 

「前頭側頭型認知症」
前頭葉や側頭葉前部の血流や代謝の低下を認めることが特徴です。症状としては、性格が変わったり、社交性が低下します。例えば、会話中に突然立ち去る、万引きをする、同じ行為を繰り返す等です。働き盛りの世代でも発症するおそれもあります。

 

「脳血管性認知症」
記憶障害や言語障害などが現れやすく、アルツハイマー型と比べて早いうちから歩行障害も出やすい特徴があります。原因としては、脳の異常が考えられています。脳梗塞や脳出血、脳動脈硬化があると、一部の神経細胞に栄養や酸素が行き渡らなくなります。そして、神経細胞が死んだり、神経のネットワークが壊れたりします。

認知症の原因

頭蓋内(脳)の病気には、脳卒中後に発症するもの、神経細胞の数が減少していく病気によるもの、頭部外傷後に血がたまる硬膜下血腫、そして頭の中に脳髄液という水が大量にたまって起きる水頭症などがあります。

 

また、身体の病気には、ホルモン異常、重症の肝臓病や腎臓病、ビタミン欠乏症、感染症などによるものがあり、によっても認知症の症状が現れます。

 

これらの中で、ホルモンの異常、肝臓や腎臓の病気、ビタミン欠乏症、感染症などの身体疾患によるものや硬膜下血腫、水頭症などによるものは、もとの疾患を適切に治療することで、認知症の症状が軽くなる可能性もあります。

認知症と社会的費用

慶應義塾大学医学部精神・神経科学教室の佐渡充洋助教と厚生労働科学研究の共同研究グループは、認知症の社会的費用を推計し、年間約14.5兆円(医療費:1.9兆円、介護費:6.4兆円、インフォーマルケアコスト:6.2兆円)に上る可能性があることを明らかにし、認知症施策立案の基礎データを提示しました。

 

出典:認知症の社会的費用を推計 慶應義塾大学医学部 2015年5月29日

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