魅力的な宣伝に騙されないために

「レモン100個分のビタミンC」
このようなフレーズは、すごく効果があるようで魅力的に感じます。多くの企業は、自社の製品を買ってもらうために、様々なマーケティングの手法を使っています。

 

本当に良い製品を購入することは問題ありません。しかし、マーケティングの手法ばかりが先行し、「正確な情報が消費者に伝わらないこと」は危険が伴う問題です。

 

正しい情報(科学的根拠)をもとに、良い製品を見極めましょう。そのために必要な、「人の感情に働きかけるマーケティングの手法」を紹介します。

魅力的な宣伝に使われる11の技術

【ウィンザー効果】
臨床試験の結果のような「無味乾燥の情報」よりも、経験談や体験談などの情報の方が、人の心理に大きな影響を与える傾向があります。「お客様の声」や「利用者の感想」などが、その例です。

 

【カクテルパーティー効果】
パーティ会場のように賑やかな場所でも、「自分の名前」だけは聞き取れるものです。このように、人の脳は「多くの情報の中から自身に都合の良い(興味のある)部分だけを抜き出す」傾向があります。「朝、スッキリ目覚めたいあなたに」などのフレーズが、その例です。

 

【権威への服従原理】
健康食品の広告に「〇〇医学博士」などの、専門家が登場すると安心感がありませんか。人は、専門家などの権威のある方の言動に無意識に従いやすい傾向があります。専門家の意見を聞いた人は、その人なりに意見を噛み砕きます。そして、「〇〇先生がいいと言っているのだから良い商品に違いない」という心理へとつながりやすいのです。

 

【ザイオンス効果】
人見知りをする方も、(ある人に)会う回数が増すごとに、最初に感じた抵抗感がなくなりませんか。商品に対しても同じような効果が働きます。最初は、抵抗感のある商品も、テレビや広告で目にするたびに抵抗感はなくなります。同じ商品を購入するときも、知っている会社(人間)から購入しようとするのも、このためです。

 

【シャルパンティエ効果】
「10kgの鉄」と「10kgの綿」では、「10kgの鉄」の方が重いように感じませんか。「数字」と「もの」を置き換えることで、商品のもつイメージを変えることができます。一例ですが、「ビタミンC2000mg配合」よりも、「レモン100個分のビタミンC」の方が、ビタミンCが多くの含まれている印象があります。

 

【松竹梅の法則】
特上天丼、上天丼、天丼とあると、真ん中の上天丼を注文しやすい傾向があります。一番安い天丼よりも、せっかくなら少し良い上天丼を頼みたい。しかし、特上までなくても大丈夫だから、上天丼を注文するといった具合です。この法則は、日本人に顕著とされます。

 

【初頭効果】
「第一印象は3秒で決まる」というように、人は「ものの数秒で人を判断する」傾向があります。これは商品に関しても同様です。特別良い商品でなくても、「デザインが良いから買ってみよう」と感じるのも、このためです。

 

【同調現象】
人は、周りの人間と同じように行動すると安心します。逆に、自分だけ違う行動をすると不安になる傾向があります。「50代女性の8割が使用している」と聞くと、使用していないことに対して不安を感じます。「ブーム」もこのようにして起こります。

 

【ハロー効果】
人が価値を見出す際、特定の面のみではなく、総合的に判断する傾向があります。このため、商品の利用者に有名人がいることや、創業何十年という老舗に魅力を感じます。ハローとは「後光」を表す言葉です。

 

【バンドワゴン効果】
日本人がよく行列をつくるように、ある商品が流行していると聞くと、良い商品であるように思いませんか。人は、その商品が「流行している」と聞くと、魅力的・好意的にとらえる傾向があります。「巷で大流行」や「3分に1本売れています」などが、その例です。

 

【返報性の原理】
試食や化粧品のサンプルをもらった場合、その「商品を買わないと悪いような気」がしませんか。多くの方は、良くしてくれた人に対して「何らかのお礼をしたい」という心理をもちます。この原理を利用し、「小さな貸しで大きな見返りを得る」手法があります。

 

 

【薬剤師じゃなくても薬がわかる本】

 

 

 

 

 

 




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