一般用医薬品の重篤な副作用(回避法)
一般用医薬品においても、重篤な副作用が報告されています。スティーブンス・ジョンソン症候群、中毒性表皮壊死融解症、肝障害、間質性肺疾患、腎障害、喘息発作重積などは極めて重篤になることがあります。
しかし、治療が早ければ早いほど、重症化を防止できる可能性があります。初期症状を見逃さないこと、放置しないことが大切です。
以下、消費者庁の「市販薬の副作用で重症化することも!初期症状が出たら医師、薬剤師に相談しましょう」を引用しています。少し刺激の強い画像(症状の説明)がありますことをご了承ください。
スティーブンス・ジョンソン症候群及び中毒性表皮壊死融解症
初期症状の例
- 高熱(38℃以上)
- 目の変化(目の充血、目やに、まぶたの腫れ、目が開けづらい)
- 粘膜の異常(唇や陰部のただれ、のどの痛み、排尿・排便時の痛み)
- 皮膚の異常(広い範囲が赤くなる)
スティーブンス・ジョンソン症候群や中毒性表皮壊死融解症の初期症状は、「高熱」、「目の充血等の目の変化」、「粘膜の異常」、「皮膚の異常」などがみられます。
まず、両目に急性結膜炎(結膜が炎症を起こし、充血・目やに・涙・かゆみ・腫れなどが起こる病態)を生じます。目の変化とほぼ同時、又は1日程度遅れて皮膚などに症状が現れます。
このようにいわれますが、皮膚やの粘膜の異常があった場合、薬の使用を中止して医師か薬剤師に相談してください。スティーブンス・ジョンソン症候群や中毒性表皮壊死融解症は、場合によっては死亡することもあり、視力障害などの後遺症が残ることもあります。
総合感冒薬(風邪薬)、解熱消炎鎮痛剤により発症することが報告されています。原因と考えられる医薬品の服用後2週間以内に発症する場合が多く、1か月以上経ってから起こることもあります。
肝障害
初期症状の例
- 倦怠感(だるい)
- 発熱
- 発疹
- 吐き気・おう吐
- かゆみ
- 黄疸
肝障害の初期症状は、「倦怠感(けんたいかん)」、「発熱」、「黄疸(おうだん)」、「発疹(ほっしん)」、「吐き気・おう吐」、「かゆみ」などがみられ、これらの症状が急に出現したり、持続したりする場合があります。
また、症状としては現れず、血液検査で肝障害が発見されることもあります。肝機能の低下が進むと、腹水や意識障害、肝性脳症(かんせいのうしょう)が出現します。まれに肝障害が劇症化し致命的になる場合もあります。
解熱消炎鎮痛剤、総合感冒薬(風邪薬)などの医薬品で起こることが多いです。肝障害は、原因と考えられる医薬品の服用後、数時間で発症する場合もあれば、数か月以上薬を飲み続けてから起こることもあります。
間質性肺炎
初期症状の例
- 息切れ・息苦しい
- 空咳
- 発熱
間質性肺炎になると、肺の中の間質と呼ばれる肺胞(はいほう)の壁やその周辺に炎症が起こります。そして、血液に酸素が取り込めず呼吸が苦しくなります。
初期症状は、階段を登ったり少し無理をしたりすると、「息切れがする・息苦しくなる」、「空咳(コンコンと痰の伴わない乾いた咳)が出る」、「発熱する」、などがみられ、これらの症状が急に現れたり、継続する場合があります。発熱はみられないこともあります。
間質性肺炎が進行すると治療が効きにくくなって難治化するために死亡率が高くなります。多くの医薬品が原因になりますが、代表的なものとしては、漢方製剤や総合感冒薬(風邪薬)、解熱消炎鎮痛剤などです。
腎障害(急性腎不全)
初期症状の例
- 尿量が少なくなる
- 尿が出ない
- むくみ
- 体がだるい
腎不全とは、腎臓の機能が低下することをいいます。腎臓の大きな役割は、老廃物や余分なナトリウム、塩素、カリウムなどを尿として体の外に排泄することです。
腎不全になると、「尿量が少なくなる」、「ほとんど尿が出ない」などの症状が出て、老廃物が血液中にたまり、症状が重い場合には、人工透析を受けないといけない状態になります。
一般用医薬品では、総合感冒薬(風邪薬)や解熱鎮痛消炎剤などで起こることが多いです。
喘息発作(アスピリン喘息等
初期症状の例
- 喘鳴(ゼーゼーなど)
- 呼吸困難(息苦しい)
喘息とは、空気の通り道である気道(気管支など)に炎症が起き、空気の流れ(気流)が制限される病気です。喘息発作は、まず鼻水、鼻づまりが起こり、次に咳、 喘鳴(ぜんめい)(ゼーゼーやヒューヒュー鳴る)、呼吸困難になることもあります。
重症化すると意識がなくなったり、窒息したりする危険性があります。総合感冒薬(風邪薬)や解熱鎮痛消炎剤などの幅広い医薬品の使用において、喘息発作が起きた例が報告されています。
原因と考えられる医薬品の服用後、1時間程度で発症することが多いです。