心臓と不整脈|不整脈の治療(メキシレチンとジソピラミド)


心臓と不整脈|不整脈の治療(メキシレチンとジソピラミド)

メキシレチンとジソピラミド

メキシレチン(代表的な薬の名称:メキシチール)と、ジソピラミド(代表的な薬の名称:リスモダン)が、どのようにNaチャネルへくっつき、どのように離れるのでしょうか。

メキシレチン(メキシチール)

メキシレチン(一般名称)は、不活性化の状態(2相:プラトー相)で細胞の結合部位にくっつきます。そして、細胞内の電位が低くなる静止状態になると離れます。くっつくのも速く、離れるのも速いという特徴をもっています。

 

この時、すべての薬(メキシレチン)が離れるわけではありません。0.3秒程度は、細胞の結合部位(チャネル)にくっつくことができます。静止状態だからといって、すべてが完全に離れるわけではありません。

 

心室細胞と心房細胞の電位

出典:不整脈プロフェショナル(静止状態を記載)

 

メキシレチンが結合部位にくっついている(0.3秒の)間に、次の脱分極(活性化)が起ころうとしても抑制されます。

 

また、心房では不活性化の状態(2相:プラトー相)が短く、次の活性化が起こるまでの時間が長いという特徴があります。このため、メキシレチンは、心房の不整脈には効果が見られにくいのです。(上室性の不整脈にも効果があるという見解もあります)

 

メキシレチンは、頻繁に活性化と不活性化を繰り返す「レートの速い心室頻拍など」を抑制します。しかし、「レートの遅い不整脈」には、効果が現れにくいのです。

 

しかし、障害を起こした心臓では、虚血を起こすなど、静止電位が浅くなり不活性化状態が長く続いています。不活性化状態が長いということは、チャネルが長く開いている状態があり、そのぶん結合部位がくっついていると考えられます。

 

このため、不活性化状態で結合する薬は、「障害のある心筋」に対して強い抑制効果があるといわれます。一例ですが、心筋梗塞後の不整薬には、リドカイン点滴静注が使用されます。

 

メキシチール(メキシレチン)の作用機序はこちら(役に立つ薬の情報~専門薬学)

ジソピラミド(リスモダン)

ジソピラミド(一般名称)は、チャネルが活性化状態(0相)で結合します。そして、0相におけるNaイオンの流入を抑制します。静止状態になると離れますが、その乖離(離れる)速度が重要です。 

 

ジソピラミドは結合するのも遅く、離れるにも時間がかかります。チャネルの結合部位から離れるには10秒程度かかります。つまり、静止状態になっても、離れることができません。そのうちに、「次の活性化状態がやってきて離れる機会を逃がす」といった具合です。

 

そして、次にくる脱分極(興奮)も抑制します。これを使用頻度依存性ブロックといいます(使用頻度=刺激頻度)。ジソピラミドは、メキシレチンと比べると抑制作用は強く長く続きます。

 

リスモダン(ジソピラミド)の作用機序はこちら(役に立つ薬の情報~専門薬学)

 

以上の2つの薬を頭に描きながら、「Naチャネル抑制薬がどのような特徴をもって作用しているか」考えることが大切です。

 

要するに、以下の2点が重要です。
①チャネルがどのような状態の時に薬が結合部位にくっつき、どの電位を抑制するか
②チャネルから離れるのにどのくらい時間がかかるか
チャネルに長くくっついているほど、薬がチャネルに蓄積します。そして、次にやってきた脱分極(興奮)を抑制します。

 


出典:心筋細胞の電気生理学

 

ジソピラミドは、活性化チャネル遮断薬であり、活性化のみを抑制します。(図左)
メキシレチンは、不活性化チャネル遮断薬であり、活性化・不活性化の双方を抑制します。(図右)

 

 

続いて、抗不整脈薬の力と作用

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