「がん」の正しい基礎知識|がんとは
私には、尊敬する先輩がいます。
その方は血液のがんである「白血病」とともに強く生きています。
そして、「がん」についてだけでなく、生きること、命の大切さなど様々なことを教えてくださいました。
私が学んだ話とともに、「がん」についての基礎知識を書かせていただきます。
近年、がんに対する治療方法が増えておりますが、手術や放射線療法、薬での治療が一般的に行われています。
がんは、多くの種類があり、できる部位や進行の早さなど様々です。
いきなりですが、少し考えてみてください。
なにを言っているのだと感じるかもしれませんが、この点が「がん患者、がんという病気」を理解するために非常に大切です。
がんであると言われた方は、まず、インターネットや様々な本を用いて「そのがんについて」一晩中調べます。
つまり、がんであるという事実、その診断結果を否定しようとするのです。
そして、頭の中が真っ白になり、「今まで何のために生きてきたのか?」と答えのない問いが、頭の中をグルグルとまわりつづけます。
がんを発病した人には、感情が乱れやすく、精神的に不安定になりやすい共通点があります。
ここで、覚えていただきたい「誤解」があります。
- がんは絶対治らない
- 治療しても意味がない
- 痛みなどで必ず苦しむ
- うつ病になる
この4項目のような考えは、間違いです。
もちろん中には、うつ病になってしまう方もいますし、現代の医学では治らない「がん」もあります。
しかし、余命数年と診断された方でも、がんであると受け入れることができ、今まで通りの仕事や生活が送れる方も多いです。
私の先輩も、最初はかなりのショックを受け今やりたいことをしたいと思い、ゲーム三昧の日々を過ごしたそうです。
しかし、これではいけないと思い、「人はいつか必ず死ぬ」と受け入れました。
そして、「何年生きるか」ではなく、「人生をいかに充実させるか」を考えるようになったそうです。
そして、現在は「多くの人に幸せと感謝を与え続ける薬剤師」として、多くの人に愛され活躍しています。
このように、がんになったからといって全てを投げ出さないでください。
今まで通りの生活を送るだけでなく、今までよりも充実した生活ができる方もいるのです。
私の先輩の例は、稀かもしれません。
しかし、がんに対しての間違った諦めや間違った知識を、少しでも減らすことができれば幸いです。
【厚生労働省のがんの現状と対策】
- 国民の二人にひとりが生涯のうちにがんにかかり、三人にひとりががんで死亡する
- 人口の高齢化とともにがんは増加し、2030年前後にはがん多死社会が到来する
- 働き盛り世代の死因の40%はがんであり、小児の病死の第一位はがんである
- 一方、早期発見や治療法の進歩により生存率は向上し、がん経験者は毎年40万人増えている
【今後のがんへの対策】
- がん患者減少に向けた予防・早期発見
- 病院依存から地域完結型医療への転換
- ライフステージやがんの特性を考慮した治療概念の再構築(個別化医療)
- がん医療の医療経済的視点からの検討
- サバイバーシップ充実への取り組み強化
- 子供の頃からのがん教育
がんに対しての対策や治療法は、日々進歩しています。
本人や家族、友人の、正しい知識と理解がとても大切です。