人生の悩みはすべて「人間関係」でできている【アドラー心理学】
アドラー心理学とは、アルフレッド・アドラー(Alfred adler)が最初のアイデアを提示し、その後継者と研究者たちが発展させてきた心理学のひとつです。「人生の悩みはすべて『人間関係』でできている」とした上で、子育てや学校教育に活用されています。アドラー心理学を知ると、人間関係が良い方向に変わるでしょう。
まず、現代の「アドラー心理学」には、5つの基本前提があります。
- 目的論:人はまず目的(種族保存、所属など)を持ち、そこに向かって考え行動する
- 全体論:人の意識、無意識、行動は別々なものではなく、個人という全体である
- 社会統合論:人は社会に埋め込まれており、抱える問題は全て対人関係上の問題である
- 仮想論:人は自分、他者、周りの世界を自分の都合のいいように見ている
- 個人の主体性:人は自分の人生を自分で決めることができる
これらの基本前提は、氷点下では水が氷になるような「自然科学の原理」とはまったく異なるものです。
多くの日本人には、自然科学の原理が染みついています。このため、怒りやすい人がいた場合、「もともと怒りっぽい性格」や「何か嫌なことがあったのだろう」と、ついつい原因を考えがちです。しかし、アドラー心理学は、「この人は自身の目的を達成するために『怒る』という行動をとっているのだ」と目的論で考えます。
人は都合のいいように世の中を見て、「今の自分」への不満を何かのせいにしたがっています。それは「仕方ない」と思いたいからです。しかし、人は傷つかないまま、人を傷つけないまま、生きることはできません。人は必ず、人と関わって生きています。何かに逃げることはできません。
じゃあ、どうしたらいいのかというと「強くなる」しかありません。
強くなるには、まず自分を好きになりましょう。今の自分を100%認めることができれば、どんなことがあっても、後悔したり落ち込んだりすることはなくなるはずです。
勇気があり、自信があり、リラックスしている人だけが、人生の有利な面からだけでなく、困難からも益を受けることができる。そのような人は、決して恐れたりしない。困難があることは知っているが、それを克服できることも知っており、…準備ができているからである。
『個人心理学講義』 p.16
自分を認めるには、「自分は、本当は何をしたがっているのか」に気づく必要があります。つまり、「自分はこうなりたい」という思いを持つことが大切です。
続いて、劣等感との向き合い方です。
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