かかりつけ薬剤師とは

​28年4月、診療報酬・調剤報酬の改定(医療制度及び医療費の見直し等)が行われました。これに伴い、かかりつけ薬剤師を決められるようになりました。今後、「責任を持たない、ただ薬を渡すだけの薬剤師」は必要とされません。

 

かかりつけ薬剤師は、自身を理解してくれている担当の薬剤師です。患者さんは、同意書に署名を行うことで、かかりつけ薬剤師を決めることができます。以下、かかりつけ薬剤師は具体的に何をしてくれるのか、その料金などを説明します。

 

「かかりつけ薬剤師」とは、患者さんが使用する医薬品について、一元的かつ継続的な薬学管理指導を担い、医薬品、薬物治療、健康等に関するさまざまな相談に対応できる資質を有するとともに、地域の住民のみなさんから信頼される薬剤師をさします。

 

かかりつけ薬剤師が行う内容

薬の一元管理
薬局は、安心して薬を使用していただくために、使用している処方薬・要指導医薬品・一般用医薬品(市販薬)・健康食品等をすべて把握します。必要に応じて、医師へ服薬情報等を報告するとともに、薬学的見地から処方内容の疑義照会や処方提案などを行います。

 

時間外の対応
緊急時など、薬局の営業時間に関係なく、24時間お問い合わせに対応します。患者さんに開局時間外の連絡先を伝え、勤務表を交付します。連絡先はお薬手帳等に書かれてあります。例えば、妊娠している方、小さなお子さんがいらっしゃる方など、急に体調が悪くなった場合などがあります。(時間外対応は、ほかの薬剤師が行う場合があります)

 

調剤後の対応
お薬をお渡しした後も、必要に応じて連絡があります。例えば、飲んでいる薬に関する重要な情報が出てきたときや、薬の効果や副作用を確認する場合などがあります。また、必要に応じて患家(患者さんの家)を訪問し、服用薬の整理等を実施します。

 

残薬の整理
使用せずに残った薬や使用方法がわからなくて困っている薬は、薬局に持っていってください。使える薬は再利用し、使えない薬は処分するなど仕分けを行います。

 

※かかりつけ薬剤師を決めた後の注意点
「あなたのかかりつけ薬剤師」は、世界に一人だけです。他の薬局を利用するときには「かかりつけ薬剤師」を決めていることをお伝えください。 口で伝えなくても、お薬手帳にその旨を記載しているため、お薬手帳を見せていただくだけで構いません。お薬手帳はとても役立つツールです。かかりつけ薬剤師が不在の場合、ほかの薬剤師が責任を持って対応します。

かかりつけ薬剤師とお金

かかりつけ薬剤師を決めると、薬局でかかる料金が増えます。具体的には薬剤服用歴管理指導料(38点〜50点)のところ、かかりつけ薬剤師指導料(70点)に変わります。1点10円なので、3割負担の方で約60〜100円程度料金が増えます。また、かかりつけ薬剤師包括管理料(270点)という包括(まるめ)の点数もあります。しかし、事例として多くないため省略します。

かかりつけ薬剤師の資格

すべての薬剤師が「かかりつけ薬剤師」になれるわけではありません。かかりつけ薬剤師になるためには、以下の条件が必要です。

 

・保険薬剤師として3年以上の薬局勤務経験があること。
・その薬局に週32時間以上勤務していること。
・その薬局に6月以上在籍していること。
・医療に係る地域活動の取組に参画していること。
・薬剤師認定制度認証機構が認証している研修認定制度等の研修認定を取得していること。(この規定は、平成29年4月1日から施行)

 


このように色々と条件はありますが、個人的には、「患者さんが心から信頼できる薬剤師」が「かかりつけ薬剤師」だと思います。しかし、点数のために、同意を取得している話も耳にします。日々責任をもって対応していることや、困ったときに顔が浮かぶ薬剤師が「かかりつけ薬剤師」になることを願います。

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