薬局のグランドデザイン2014―健康長寿社会の実現に向かって―

日本薬剤師会は、平成9年(1997年)に「薬局のグランドデザイン」を策定公表し、21世紀の医療・保健・福祉の分野で、薬局・薬剤師の果たすべき役割や機能を示しています。
この薬局のグランドデザインでは、「もの(医薬品等)」を通じて「情報」や「技術」を提供することが、「国民のための薬局サービス(薬局機能)」として示されています。

 

 

【国民のための薬局サービス】
1. 地域住民の必要とする医薬品を、いつでも地域差なく提供
2. 医薬品の適正使用による患者のQOL向上への貢献
3. 最小薬剤による最適な薬物治療達成への貢献
4. 薬剤価格や薬剤費の適正化等、社会保障制度の健全な運営への貢献
5. 国民のセルフケア支援
6. 医療廃棄物や不要医薬品の回収・廃棄
7. 在宅医療・在宅福祉への参画
8. 地域社会への貢献

 

しかし、上記の薬局サービスは、すべての薬局(約5万5,000軒)で行うことは難しいと判断されました。そこで、2014年に日本薬剤師会は『薬局のグランドデザイン2014』を公表し、地域の中核薬局を全国で1万5,000軒ほど設置したい考えを示しています。団塊の世代が高齢者となる2025年(平成37年)までを目標として、薬局で備えるべき具体的な機能を示しています。

 

これからの中核薬局(まちの薬局)は、来てくれる患者さんに薬を渡すのみの「調剤偏重」からの脱却に向け、地域での役割を果たさなければなりません。
今日の社会は、医薬品をはじめ、食品添加物、洗剤、農薬、建築資材等々、化学物質で満ちています。これらの製品は、人間の叡智の成果として社会生活を営む上で多くの利益をもたらしている一方、副作用、健康被害、環境汚染等々、多くの不利益をももたらしています。

 

薬学とは、「人と化学物質の橋渡し」をする学問であるとも言われますが、薬学を修得した医療人たる薬剤師は、地域に最も近い「街の科学者」として、地域社会に対し多くの貢献を成し得る立場にあります。薬局や医療機関における医薬品の取り扱いを通じて、副作用に関する情報の収集、伝達、感染症サーベイランスへの参加、また、医薬品の適正な使用や、環境や人体への化学物質の影響に関わる知識の普及、薬物乱用防止活動等々、社会の安全を確保するセーフティネットワークの一員として、中核的な役割が求められています。

 

 

 

【備えるべき具体的な機能】
「地域住民のセルフメディケーション等への支援」
「地域住民の健康増進のための医薬品等、関連品の備蓄・供給」
「早期発見、重症化防止、重複投与防止」
「地域の健康情報拠点」
「地域薬剤師会を通じての活動」など
また、24時間対応や簡易検査、ICT化などの薬局施設としても総合的な能力を求められています。

薬局の具体的機能に関するサイト内リンク集



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