腸内環境と食事(食物繊維と善玉菌)

お腹の環境を整えるためには、食物繊維善玉菌オリゴ糖などが良いとされています。お腹(腸内)の環境を整えることは、便通がよくなるだけでなく、免疫力を高めたり、うつや糖尿病の改善などさまざまな良い影響が期待できるといわれています。

食物繊維

食物繊維には、水に溶けない「不溶性食物繊維」と、水に溶ける「水溶性食物繊維」の2種類があります。日本人の食事摂取基準(2010年版)では、食物繊維の目標量は、18歳以上では1日あたり男性19g以上、女性17g以上とされています。しかし、平成20年 国民健康・栄養調査結果によると、どの年代においても目標量に達していません。

 

①水に溶けない食物繊維(不溶性食物繊維)
ボツボツ、ザラザラしている特徴があります。

【主な働き】

便秘の予防と腸内環境改善
保湿性が高いため、胃や腸で水分を吸収して便のかさを増やします。そして、腸壁を刺激してぜん動運動(腸の動き)を促進し、スムーズな排便をたすけます。腸の動きがよくなると、有害物質がからだの中にとどまりにくくなります。さらに、有害物質を吸着してからだの外に排泄させます。

 

満腹感で肥満防止
よく噛む食材に不溶性食物繊維が多く含まれるため、早食いによる過食を防止します。そして、胃内での消化時間が長いため、満腹感が持続します。

 

②水に溶ける食物繊維(水溶性食物繊維)
ネバネバ、サラサラしている特徴があります。

【主な働き】

有害物質の排除
不溶性食物繊維と同様に、排便を促す効果と有害物質を吸着したり排泄します。

 

動脈硬化、高血圧予防
腸内でのコレステロール糖質の吸収を抑えます。また、ナトリウムの排泄を促します。

 

不溶性食物繊維:水溶性食物繊維=2:1
この比率で摂ると理想的です。しかし、簡単に計算できるわけではありませんので、色々な種類の食物繊維を食事に摂り入れることが大切です。

 

主な食材(不溶性・水溶性食物繊維がともに含まれている)

 

▶不溶性食物繊維
・豆類(いんげん豆、えんどう豆、大豆など)
・穀類(玄米、ライ麦、あわなどの雑穀)
・イモ類(さつま芋、里芋、じゃが芋など)
・野菜(かぼちゃ、ブロッコリー、オクラなど)

 

▶水溶性食物繊維
・果物(バナナ、りんご、いちご、キウイフルーツなど)
・海藻類(わかめ、昆布、モズク、寒天など)
・キノコ類(しいたけ、まいたけ、えのきだけ、エリンギなど)
・野菜(ごぼう、モロヘイヤ、にんじんなど)

 

食物繊維の摂取を増やすためのポイント
「主食を変更する」
精白米よりも、七分づき米・発芽玄米・オートミールには多くの食物繊維が含まれています。雑穀を混ぜるという手段もあります。うどんよりも日本そば、食パンよりもライ麦パン・全粒粉パン・玄米パンです。

 

「メイン料理にもう1種類プラスする」
いつもの煮物にきのこを加えたり、いつもの汁物に海藻を加えてみましょう。

 

「野菜や海藻類を副菜にする」
切干大根の煮物、ひじきサラダ、きんぴらごぼう、野菜スープ、青菜のおひたしを副菜にしましょう。

 

「豆類、芋類を摂る」
納豆、おから煮、さつま芋と切り昆布煮もわすれずとりましょう。

 

「くだものを摂る」
くだものにも食物繊維が豊富です。1日の目安量としては、握りこぶし大程度を、皮ごと摂りましょう。

乳酸菌とビフィズス菌(善玉菌)

人の腸内には、約100種類、約100から1000兆個の細菌が住みついています。さまざまな種類の細菌がせめぎあって存在しており、腸内細菌は大きく「善玉菌」と「悪玉菌」に分類できます。

 

善玉菌
ビフィズス菌、乳酸菌が代表的です。からだの外から襲いかかる有害な菌をやっつけてくれたり、免疫力を高める働きをしています。普段は上手く悪玉菌をおさえています。

 

悪玉菌
大腸菌、ブドウ球菌などが代表的です。からだの抵抗力を弱め、便秘や下痢をひきおこします。発がん物質などの毒素を作り出すこともあります。

 

▶ビフィズス菌の様々な働き(管理栄養士の話より)
・腸内環境を整える・・・悪玉菌の増殖を抑え有害物質を減少
・便秘、下痢の防止・・・腸のぜん動運動を促しスムーズな排便
・免疫力の調整・・・腸内免疫システムを刺激して正常化
・病原菌の感染防止・・・生成した有機酸が腸内を酸性にして病原菌の増殖を防ぐ
・消化吸収を助ける・・・糖質をうまく分解
・ビタミンの生成・・・ビタミンB1、B2、B6、B12、ビタミンKなどを生成
・血中コレステロールを下げる
など

 

▶乳酸菌、ビフィズス菌をうまく摂るには
手軽に摂るにはヨーグルトがおすすめです。体に有益な働きをする生きた微生物やその菌を含む食品をプロバイオティクスといいます。よくみかける“生きたまま腸までとどく”食品を選びましょう。

 

また、人によって合う合わないがあります。自分の腸内細菌と相性の良いヨーグルトを見つけましょう。まず、1日200g程度を1週間ほど摂ってみて、快便になったり肌の調子が良くなれば、毎日続けて食事中や食後に摂るようにしましょう。

 

 

つづきは、こちら腸内環境と食事(オリゴ糖など)をご覧下さい。

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