[広告]

※アフィリエイト広告を利用しています

高齢者の注意すべき薬とは

医療における高齢者とは、65歳以上をさします。高齢になるとともに、各臓器の機能は衰え、色々な病気がおこります。そこで、薬による治療がおこなわれますが、高齢者は臓器の働きが落ちており、薬による健康被害が多くおこっています。

高齢者の特徴

①身体機能の低下
視覚、聴覚、嗅覚、味覚などの機能が低下します。視覚では、水晶体が硬くなるため、近くに焦点を合わせにくくなります。また、水晶体の密度が高くなり、薄暗い場所でものが見えにくくなります。光の変化に対する反応が遅くなり、色の感じ方が変化し、目の乾燥もおこりやすくなります。

 

また、骨密度や筋肉の量が減り、脂肪量が増えるなど「からだの機能」が低下します。骨密度が低下することで、骨が弱くなり、骨折しやすくなります。筋肉量が減ることで、筋力が減少します。また、75歳までに、体脂肪率が若い頃の2倍になるといわれます。

 

②生理機能の低下
心臓や腎臓などの臓器や、血管が硬くなります。動脈が硬くなり、多くの血液が送り出されたときに血管が拡がりにくくなります。血圧は上昇する傾向があります。

 

細胞の数が減少し、腎臓は小さくなる傾向があります。腎臓の血流が少なくなり、30歳前後から「血液ろ過」の低下が始まります。つまり、血液中の老廃物や除去能力が低下します。そして、薬がからだの中に留まりやすく副作用(有害事象)がおこりやすくなります。

 

③理解力の低下
高齢になるにつれて、脳の神経細胞の数が減り、もの忘れをしやすくなります。一般的に、反応や作業がいくらか遅くなることがありますが、時間があれば正確に行うことができます。新しいことを覚える能力、言葉を思い出す能力など、一部の精神機能が70歳ごろから少しずつ低下します。

 

さらには、認知症などの病気によるもの忘れの症状もおこりやすくなります。理解力や記憶力の低下によって、薬の飲み忘れ飲み間違いの危険があります。

 

このように高齢者は、疾患や機能の低下がおこりやすいのです。それに伴って、薬を使用し「薬の飲み合わせによる副作用」などがおこりやすくなってしまいます。

高齢者の薬における注意点

高齢者は、さまざまな「低下」がおこりますが、副作用などの健康被害を起こさないためには色々な工夫があります。われわれ薬剤師が日々の仕事の中で、注意している点を紹介します。

 

①身体機能の低下
視覚聴覚に問題を抱える高齢者が多いので、ゆっくりと大きな声で話します。耳が聴こえない方には、筆談で対応します。また、薬を飲む日付や時刻を薬袋(薬を入れる袋)に大きな字で書き込みます。

 

嚥下機能(飲み込む力)が低下するため、大きくて飲みにくい薬は粉砕する場合があります。薬の性質上粉砕できない薬もあります。また、薬を飲む直前に、白湯に溶かして飲みやすくする「簡易懸濁法」の提案などを行います。

 

②生理機能の低下
腎機能や肝機能が低下すると、薬がからだの中にとどまりやすくなります。機能の変化をチェックし、薬の量が正しいのか判断します。それに伴い、薬の副作用が出ていないかチェックします。

 

血中半減期の長い薬(からだにとどまりやすい薬)、治療域の狭い薬(少量だと効果がなく、量が少しでも多いと副作用が起こりやすい薬)などは、特に注意しています。

 

③理解力の低下
認知症でなくとも、物忘れが増え理解力が低下している方が多いです。さらに、飲むべき薬の数も多くなりがちですので、一包化(袋に詰め)や投薬カレンダ−の使用で、服薬しやすくします。

 

また、家族への服薬管理の確認や残薬がないか確認します。残薬(残っている薬)があることは、薬がしっかり飲めていないという判断基準になります。この場合は、服用方法の検討(例えば「1日3回」を「1日2回」へ)などを行います。

関連ページ



[広告]
[広告]


[広告]