どこから高血圧?|高血圧の判断基準
日本高血圧学会は、2014年4月1日に新たなガイドラインを発行しています。
その一部をまとめました。
日本だけでなく世界的に、高血圧の基準は140/90mmHgです。
収縮期140mmHg、拡張期90mmHgの両方を満たす(上回らない)場合が正常域とされています。
しかし、正常域だからといって安心できません。
至適血圧を超えて血圧が高くなるほど脳卒中や心筋梗塞、腎臓病のリスクが高まります。
また、糖尿病や慢性腎臓病の方は、より厳しい血圧管理をしないといけません。
糖尿病の方は、血液中の糖がおおく、血管が傷つきやすい状態です。
糖尿病の怖いところは、血管由来の「腎臓」「目」「しびれ」に関する合併症です。
血圧が高いと、より悪化させてしまうことは明白です。
腎臓病の方は、腎臓の組織が壊れつつあります。
腎臓は血管の中の、老廃物をこしとる臓器です。
老廃物をこしとる際に、圧力がかかりすぎてしまうと良くないこともまた明白です。
ちなみに、家庭での血圧測定に関する「得する情報」はこちらを参考にしてください。
【2014年、基準値と基準範囲の混同】
これまでも、高血圧といえば140/90mmHg以上とされていましたが、2014年4月、日本人間ドック学会は「基準範囲」として147/94mmHgを報告しました。
その結果、人間ドック学会の意図と異なる解釈で「健診判断値の緩和」や「正常値が変わる」などと一部のマスコミが報道し多くの患者さんや、医療関係者の混乱が起きてしまいました。
人間ドック学会の報告はあくまで「基準範囲」であると注意しなければなりません。
また、情報の一部を、誤って面白おかしく報道する一部のマスコミにも注意が必要です。
降圧目標
高血圧の方が毎日血圧を測っていく際に、目標の数値があります。
下の表の数値を目指しましょう。
・診察室で測る場合
上の血圧(収縮期血圧) | 下の血圧(拡張期血圧) | |
---|---|---|
高齢者(65歳~74歳) | 140mmHg | 90mmHg未満 |
高齢者(75歳以上) | 150mmHg | 90mmHg未満 |
若年者、中年者 | 140mmHg | 90mmHg未満 |
糖尿病患者 | 130mmHg | 80mmHg未満 |
慢性腎臓病患者 |
130mmHg | 80mmHg未満 |
脳血管障害患者 |
140mmHg | 90mmHg未満 |
高齢者75歳以上の方で、上の血圧(収縮期血圧)160mmHg以上なら、まずは150/90mmHg未満を目指します。
問題がなければ、最終的に140/90mmHg未満となるように慎重に降圧をおこないます。
・家庭で測る場合
上の血圧(収縮期血圧) | 下の血圧(拡張期血圧) | |
---|---|---|
高齢者(65歳~74歳) | 135mmHg | 85mmHg未満 |
高齢者(75歳以上) | 145mmHg | 85mmHg未満(目安) |
若年者、中年者 | 135mmHg | 85mmHg未満 |
糖尿病患者 | 125mmHg | 75mmHg未満 |
慢性腎臓病患者 |
125mmHg | 75mmHg未満(目安) |
脳血管障害患者 |
135mmHg | 85mmHg未満(目安) |