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嚥下訓練をして誤嚥性肺炎を防ぐ

日本の死亡原因第3位が肺炎です。最近まで、第3位は脳血管疾患でしたが、平成23年に肺炎が3位になりました。これは、日本の高齢化によって、高齢者が急増したためだと考えられています。

 

高齢者の肺炎の多くは、嚥下(えんげ)※の間違いである誤嚥(ごえん)によるものだといわれます。誤嚥とは、唾液や食物、胃液などが気管に入ってしまうことです。

 

このときに、細菌が唾液や胃液と共に肺に流れ込んで生じる肺炎を「誤嚥性肺炎」といいます。70歳以上で70%以上、90歳以上で95%以上が「誤嚥性肺炎」だといわれます。

 

※嚥下(えんげ)とは、食べ物や飲み物を「飲み込み、胃に送る」ことです。年齢とともに嚥下の能力が低下し、それが原因で誤嚥性肺炎が起こりやすくなります。嚥下の能力が低下し、食べる楽しみを失うということは、生活の質(QOL)を下げてしまいます。

 

 

【誤嚥性肺炎の症状】(出典:日本呼吸器学会)
発熱、せき、喀痰など通常の症状を訴えないことも多く、なんとなく元気がない、倦怠感を訴えることもあります。また、酸素低下をきたし、重症の呼吸不全になることもあります。次の症状がある場合は専門の医療機関を受診したほうが良いでしょう。

  • 食事中によくむせる
  • 常に喉がゴロゴロ鳴っている
  • 唾液が飲み込めない
  • 食事に時間がかかる
  • 痰(たん)が汚い
  • 肩で息をしている

 

誤嚥を防ぐことは簡単ではありません。誤嚥を防ぎ、誤嚥性肺炎を起こさないようにするためには、本人、家族、医療関係者の協力が重要です。

嚥下訓練

嚥下が極端に難しい方は、嚥下訓練をおこない誤嚥性肺炎を防ぎましょう。

方法 動作
頭部拳上訓練

①仰向けで寝ている状態で、頭を持ち上げる。
②60秒保持後、頭を下げる。

咳嗽(がいそう)訓練

①腹部に手を置いて、息を吸う。
②「えへん」としっかり声を上げながら息を吐く。
③呼気に合わせて腹部を押し、咳の誘導をはかる。

呼吸訓練

①鼻から息を吸う。
②ろうそくの炎を消すような気持ちで口をすぼめて息を吐き出す。

舌抵抗訓練 舌を口蓋に対して押し付けたり、舌圧子を用いて舌に負荷がかかるような抵抗運動を行う。
嚥下体操(食前の準備体操)

①ゆっくり深呼吸する
②普通に呼吸しながら首をゆっくり回す。
③肩の上げ下げを2~3回繰り返し、肩を中心に両手をゆっくり回す。
④上体を左右にゆっくり倒す。
⑤頬を膨らませたりひっこめたりを2~3回繰り返す。
⑥大きく口を開いて、舌を出したり、ひっこめたりし、左右に動かすことを2~3回ずつ繰り返す。
⑦「パパパ、ラララ、カカカ」又は、「パラカ」とゆっくり5~6回発声する。
⑧口をすぼめて息を強く吸い、冷たい息が喉にあたるようにして喉の感覚をリフレッシュする。
⑨額に手を当てて抵抗を加え、おへそを覗き込むように強く下を向くようにする。
⑩ゆっくりと深呼吸する。

アイスマッサージ(介助者による)

①アイスマッサージ棒を作る(割り箸にカット綿を巻き付けたもの又は綿棒に水を含ませ、軽くしぼって凍らせる)。
②凍ったアイスマッサージ棒に少量の水をつけて、軟口蓋や舌根部を軽く2~3回刺激した後、すぐに空嚥下させる。

出典:ENIF医療ニュース Vol.24 No.11 2015

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