浅い呼吸から深い呼吸へ|呼吸を見直す

わたしたちは普段、無意識に呼吸していますが、現代人は、呼吸が浅く速い人が多いそうです。浅くて速い呼吸は、心にも体にもさまざまな不調をまねきます。毎日元気に過ごすためにも、深くゆっくりとした呼吸を意識することが大切です。

 

 

【呼吸が浅くなる原因】
呼吸が浅くなる原因は大きく分けて3つあります。
からだのゆがみ…呼吸は、肺が拡張、収縮することで行われています。このとき、肺の周りの筋肉と骨が連動していますが、姿勢が悪かったり、ゆがんでいると、肺が十分に広がったり、縮まったりすることができません。現代人は昔に比べて、パソコンでの作業やスマートフォンの操作などが多いので、姿勢が悪くなりやすく注意が必要です。

 

肺の病気や心の状態COPD(慢性閉塞性肺疾患)などの肺の病気でも、呼吸は浅く速くなりがちです。改善のためには、治療やリハビリなどが必要です。また、呼吸は交感神経の影響を受けます。つまり、心、感情とも深く関係しており、不安や緊張、興奮によって浅くなることがあります。

 

加齢や生活習慣…呼吸のときに使われる筋肉や肺の弾力は、加齢によってどうしても衰えてしまいます。肺の老化を防ぐためには、運動や上半身(首、肩、胸、背中)のストレッチが有効です。喫煙やストレス、口での呼吸なども呼吸が浅くなるため、禁煙は必ず行いましょう。

 

 

【深い呼吸がもたらす効果】
筋肉がほぐれて血流促進…余計な力が抜けて、全身の緊張がほぐれてると、筋肉のこわばりによって圧迫されていた血管の通りがよくなり、血流が促進されます。

 

自立神経のバランスが整う…胸郭(きょうかく)と横隔膜(おうかくまく)、つまり、胸とお腹をしっかり動かして深い呼吸を行うことで、自律神経のバランスが整えられます。

 

内蔵の働きが活性化する…呼吸に必要な筋肉を使うことで、内蔵が収まっている部分が刺激され、胃や腸をはじめ、心臓や肺の機能などを高めます。

 

心がリラックスする…深い、ゆったりとした呼吸には、不安やストレスを落ち着かせて、リラックスさせる効果があります。緊張したときの深呼吸が代表例です。

 

 

【深い呼吸のコツ】
ゆったりと長く息を吐くことを意識しましょう。そうすると吐いた分だけ自然と吸い込もうとするため、「吸おう吸おう」と頑張るよりもリラックスした自然な呼吸になります。

 

また、肺や胸郭をしっかり拡張、収縮させるために、日ごろから姿勢を意識しましょう。鏡の前に横向きに立ち、耳、肩、腰、くるぶしが一直線になっているか確認しましょう。はじめから常によい姿勢をキープするのは難しいので、気づいたときに姿勢を正すクセをつけましょう

 

▶深くてゆったりとした呼吸の感覚を覚える方法
この姿勢は、つっぱりがちな背中の筋肉を緩め、また横隔膜の働きをサポートして、楽に呼吸ができることを体に覚えさせる効果が期待できます。
①仰向けに寝て、お尻と足が浮くように、お尻の下にクッションや丸めたバスタオルを敷き、足は椅子などの台の上にのせます。
②この体勢で5~10分間、力を抜いてゆっくり呼吸します。吐くときにお腹に力が入っていないか、お腹と胸がしっかりと動いているかを確認しましょう。

 

 

【呼吸を浅くする落とし穴】
喫煙や大気汚染で引き起こされるCOPD(慢性閉塞性肺疾患)は肺の生活習慣病とも呼ばれ、肺の弾力がなくなり、息をうまく吐き出せなくなる病気です。しつこい咳やたん、息苦しさを感じたら要注意です。気になる症状があれば、早めに医療機関へ行きましょう。

 

また、口で息を吸うと、鼻で吸うときに比べ、ウイルスなどを直接吸い込みやすくなり、結果的に風邪などをひきやすくなります。また、口呼吸が続くと唾液の分泌が減って、虫歯のリスクが高くなり、口臭の原因にもなります。

 

アレルギー性鼻炎や花粉症など、鼻が詰まっていると、どうしても口呼吸をしてしまうこともあります。口呼吸が治らない場合は、医療機関の受診をおすすめいたします。

 

姿勢を正す、口呼吸をしないなど、今すぐできることから少しずつ気をつけ、浅い呼吸から深い呼吸にしていきましょう。深い呼吸をすることで、毎日が快適に過ごせます。

 

 

以上、class A 薬局の健康情報誌 2015 8月号を参考にさせていただいてます。

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