電位依存性Caチャネル(T型/L型 Caチャネル)

Caイオンの通るチャネルは、T型L型の2種類があります。T型Caチャネルは、洞結節、房室結節、プルキンエ線維などにはありますが、心房や心室にはありません。L型はすべての心筋細胞にあります。

 

深い電位の(マイナスが大きい)とき、まずT型Caチャネルが開いてCaイオンを少しずつ入れます。その後、Caイオンが入ることで細胞内外の電位差が小さく(約-30mV)なったら、L型が開きT型は閉じます。

 

 

つまり、T型Caチャネルは、Caイオンを少しずつ細胞に入れて細胞内外の電位差を浅くし、L型のチャネルが開く電位にもっていく役目をもっています。このCaチャネルがあることで、心臓は自動的に動くのです。(自動能

 

心房、心室、プルキンエ線維などの細胞において、最初に入るのはギャップジャンクションからの陽イオンです。その流入で、電位差が約-90mV~-65mVになると、Naチャネルが開きNaイオンが入ります。Naイオンの流入で電位差が約-30mVと浅くなると、L型Caチャネルが開きCaイオンが入ります。

 

 

L型Caチャネルから入ったCaイオンを使って、心房や心室の細胞は収縮を開始します。Caイオンの役目は細胞の興奮ではありません。よって、Naイオンほど急ぐことなく細胞内に入り、細胞は収縮を続けます。

Caイオンによる細胞の収縮(心筋の収縮)

心臓は、細胞内で何を利用して、どうやって収縮するのでしょうか。

 


出典:生理学テキスト

 

心臓の筋肉(心筋)細胞には、アクチンミオシンというタンパク質があります。そして、ミオシンには「クロスブリッジ」という腕のような組織があります。このクロスブリッジがアクチンを引き込むことで、アクチンがミオシンの間に入り込み収縮がおこります。(筋の滑走説)

 

心筋細胞の収縮や拡張には、細胞内のCaイオンが関係しています。これは心臓だけでなく、骨格筋や血管平滑筋でも同じです。細胞内の遊離Caイオンが増えると、アクチンとミオシンが相互に滑り込んで筋の収縮が起ります。

 

遊離Caイオンとは、筋小胞体に入っていないCaイオンをさします。

 

 

【筋収縮の詳細】
神経刺激などにより筋小胞体からCaイオンが放出されると、Caイオンがトロポニン複合体中のトロポニンC(Ca結合性トロポニン)と結合し、トロポニン複合体の構造が変化します。そして、アクチンのミオシン結合部位からトロポミオシンの一部が外れます。それによって、ミオシンの頭部がアクチンのミオシン結合部位に結合することができるようになり、筋収縮が行われます。

 

 

続いて、CaポンプとKチャネルの詳細

 

 

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