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筋小胞体からCaが出るチャネルと元に戻すポンプ

L型チャネルを通って細胞外からCaイオンが入ってくれば、その刺激で筋小胞体からCaイオンが飛び出します。このようにして心臓の筋肉(心筋)が収縮します。逆に、筋肉を弛緩させる(ゆるめる)ためにはCaイオンを筋小胞体に取り込む必要があります。身体のエネルギー(ATP)を使って働くポンプが、Caポンプです。

 

 

細胞内にある筋小胞体は、多くのCaイオンを貯えています。L型CaチャネルからCaイオンが流入にする刺激によって、筋小胞体のチャネルが開きます。そして、筋小胞体からCaが細胞内に流出し、遊離Caイオンが多くなります。

 

細胞外からのCaイオン流入が多いと刺激も強くなり、筋小胞体からの流出も増え強い収縮が起こります。また、Caイオンの流入が長く続くと、心筋の収縮も長くなります。心筋の収縮の主役は、この筋小胞体から出るCaイオンなのです。

 

何かの異常で細胞内にCaイオンが多い状態になると、Caイオンは筋小胞体に強引に入れられ、思いがけない時に流出し細胞を興奮させる場合があります。Caイオンが細胞内に多過ぎる状態も、心臓の不整な動き(不整脈)の原因になるのです。

 

また、心筋の細胞に障害が起こると、Caポンプの機能に異常が起こり、細胞内のCaイオンが少なくなります。つまり、心不全の状態では、このCaポンプも弱ります。そして、細胞内のCaイオンの不足が生じて、心筋の収縮が難しくなります。

Kチャネル

Kイオンは、無理やりに細胞内に入れられています。そして、細胞内の電位を細かく調節するなど、多くの仕事をしています。以下の仕事は、「Kイオンが細胞外に出る」という動きによって行われます。

  • 細胞内外の電位をつり合った状態にする
  • NaチャネルやCaチャネルが開いた際、電位が異常に上がらないように抑える
  • 興奮の時間が長すぎないように調整をする
  • 心筋が収縮したら、細胞の興奮を終わらせる

 

 

Kチャネルは、細胞内外のどちらにでも移動できるチャネルです。洞結節、房室結節にはありません。全部で10種類ほどのKチャネルがあるといわれています。そのほとんどが、(濃度差によって)Kイオンが細胞外へ出るものです。

 

細胞内外の電位差を上手く調節しているのがKイオンです。Kチャネルには、開きすぎても閉じすぎてもダメという、とても微妙な仕事が要求されています。そのために多くのチャネルがあるのです。

 

もしも細胞に障害が起こると一番に影響を受けるのが、このKチャネルです。このチャネルが狂うと細胞内外の電位差が深くつくれないのです。つまり、細胞障害時に不整脈が起こる大きな原因になります。

 

アセチルコリン感受性Kチャネル
このチャネルは、心房の収縮期を短く(活動電位を短く)するためにあります。心房の活動期(収縮期)に、副交感神経から放出されるアセチルコリンの刺激で開きKイオンを放出し電位をさげます。

 

このチャネルは、心房にありますが、心室にはありません。夜間、副交感神経が優位になり、心房細動を起こす人は、このアセチルコリンの関与が考えられます。そのような人には、抗コリン作用のある薬(アトロピン、ジソピラミド、シベンゾリンなど)が使われます。

 

また、洞結節、房室結節などにおいて、T型チャネルからCaイオンの流入(緩徐脱分極)をしているとき、アセチルコリンの刺激があるとKチャネルが開きます。そして、Kイオンの流出が生じて、電位差が深くなります。このことによって、頻脈が徐脈になります。(副交感神経優位)

 

 

続いて、Na/Ca交換系とギャップジャンクションの詳細

 

 

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