Na/Ca交換系

細胞の興奮や収縮に関係した心筋細胞内のCaイオンを、細胞外に運ぶための交換系だと考えてください。細胞内に入ってきたCaイオンがずっと細胞内にいると不都合があるため、細胞外にCaイオンを出します。その際に、Naイオンを細胞内に取り込みます。

 

 

この交換系は、1個のCaイオンを外に出し3個のNaイオンを細胞内に入れます。その交換をする孔です。ただし、お互いに交換されてもいい状態にならないと交換系は働きません。

 

また、細胞内のイオンの状態によって、逆に動いて(Naイオンを外に出す)交換することもあります。この交換系は、身体のエネルギー(ATP)は使わず、自由に出入りする道です。

 

細胞の興奮時には、Naチャネルが開きNaイオンが入ります。その直後に、Naイオンを出しCaイオンを入れて心筋の収縮を行います。わずかですが、この交換系は、こんな役割も行っています。

ギャップジャンクション(ギャップ結合)

心臓の細胞が興奮する際、隣の細胞にも一緒に興奮し電気刺激を伝えていかなければなりません。隣の細胞に刺激を伝える道が、ギャップジャンクションです。ギャップ ジャンクション(結合)は、細胞間の接合体であり、刺激(陽イオン・主にKイオンの流入)を細胞から細胞に伝える道(孔)なのです。

 

 

ギャップジャンクションがあることで、心臓はまるで一つの細胞のように動くことができます。このギャップジャンクションは、プルキンエ線維などでは豊富にきちんとつくられています。しかし、房室結節では、まばらで不規則につくられています。この違いによって、電気刺激の伝わり方に変化をもたせているのです。

 

ギャップジャンクションを通る電気刺激は、一般的には細胞の縦方向ですが、ゆっくりと横方向にも伝えます。プルキンエ線維から心室への電気刺激は、それぞれの線維が担当している特定の心筋細胞にのみ伝えます。

 

心臓が正常な状態において、洞結節だけが自発的に興奮(電気刺激を出)しています。その電気刺激がギャップジャンクションを通り、房室結節→ヒス束→右脚・左脚→プルキンエ線維→そして、心室へ伝わり、心筋が収縮します。

 


出典:不整脈の基礎と臨床

 

心室筋や心房筋など、自分で興奮することのできない(自動能がない)細胞は、隣の細胞から刺激がこないと興奮できません。心筋の障害(心筋梗塞、線維化など)が起こると、ギャップジャンクションからの電気刺激が遮断されることがあります。これも不整脈の原因になります。

 

 

続いて、細胞と電位(分極・脱分極)

 

 

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