子どもの薬の量や注意点|子どもと薬
子どもは、まだまだ成長の途中であり、からだが小さいだけでなく生理機能も発展途上です。特に新生児から乳児・幼児は、肝臓や腎臓などの臓器がしっかり機能しません。つまり、薬の量や種類に気をつけなければ、健康被害の危険があります。
また、子どもは、本人だけでは薬を服用できません。 薬のかたちや味が「お薬を飲めるか飲めないか」に大きく影響します。このページでは、子どもと薬の特徴を、薬の量、注意点などとともに解説いたします。
子どもの年齢の区分
新生児 | 生後4週未満 |
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乳児 | 4週から1歳未満 |
幼児 | 1歳から7歳未満 |
小児 | 7歳から15歳未満 |
薬の量(用量)
子どもの薬の量は、薬の使用方法が書いてある添付文書に記載されています。そこには、体重あたり何gの薬が必要か書いてありますが、「肥満児、浮腫のある子ども」の用量は身長や年齢によって計算することもあります。様々な計算方法がありますが、詳細は以下のとおりです。
Augsbergerの式
小児量(2歳以上)=(年齢×4+20)/100 ×(成人量)
Von Harnackの表
年齢 | 未熟児 | 新生児 | 3ヶ月 | 6ヶ月 | 1歳 | 3歳 | 7.5歳 | 12歳 | 成人 |
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薬の量 | 1/10 | 1/8 | 1/6 | 1/5 | 1/4 | 1/3 | 1/2 | 2/3 | 1 |
Young式
小児量 = (年齢)/(12+年齢)×(成人量)
Crawford 式
小児量 = (成人量)×(体表面積:[m2])/ 1.73
体表面積[m2] = 体重[kg]の0.425乗 ×身長[cm]の0.725乗 ×0.007184
子どもの平均体重(参考)
年齢 | 0ヶ月 | 3ヶ月 | 6ヶ月 | 1歳 | 2歳 | 3歳 | 4歳 | 5歳 | 6歳 |
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体重 | 3kg | 6kg | 8kg | 10kg | 12kg | 14kg | 16kg | 18kg | 20kg |
基本的な注意点
薬を飲ませた後、じんましんや湿疹、吐くなどのアレルギー反応を起こす場合があります。30分ぐらいは様子を見て、体調の変化に気がついたら医師または薬剤師に相談して下さい。アレルギー体質や、薬で吐く、下痢などの副作用の経験がある場合は、事前に医師または薬剤師に伝えて下さい。
1歳未満の子にハチミツは厳禁です。腸内細菌叢が未熟であり、ハチミツなどボツリヌス菌に汚染されている食べ物を口にすると毒素が産生され「乳児ボツリヌス症」が発生する危険があります。
乳児・幼児は、食事時間が不規則で、食後に薬を飲ませられない場合があります。おなかがいっぱいになると、薬をのまなかったり、吐いたりすることもあります。医師の指示が一番ですが、問題のない場合は、食前(ミルクを飲む前)がおすすめです。
薬によりますが、基本的に寝ている子を無理に起こして飲ませる必要はありません。また、良くなったと自己判断で、薬を中断させないで下さい。特に抗生物質は出された日数を飲みきりましょう。どのようになったら薬を止めても良いか、尋ねておくこともひとつです。
誤飲を防ぐために、抱いて、あるいは上体を起こして飲ませましょう。錠剤や粉薬はあらかじめ水を飲ませて口の中を湿らせます。そして、立って十分な量の水とともに、上を向いて飲むのではなく、床を見て飲ませましょう。
医師から薬が出ている間は、市販薬は一緒に飲ませないでください。また、他の病院で出ている薬がある場合は、事前に医師や薬剤師にお知らせ下さい。
1歳になれば多くのことがわかるようになります。お薬を飲ませるときに、「病気を治そうね!」「元気になろうね!」など、やさしく声をかけてましょう。そして、薬を飲めたときには、しっかりと褒めてあげましょう。