糖尿病を改善する食事療法と肥満
血糖値をあげない食事の方法
よく噛み、ゆっくりと時間をかけて食べることが大切です。
- わずかに上がった血糖値が満腹中枢を刺激して食欲を抑えます。
- 咀嚼情報(噛むこと)が、脳内のヒスタミン神経系やセロトニンの神経系を活性化し、食欲を抑制すると考えられています。
- 食物繊維の多い野菜から先に食べることで、食後のインスリン過剰分泌をなくし、食後血糖が改善します。
- 主菜としてのタンパク食品を主食より前に摂る方が、よりインクレチン(※)効果を高め、インスリンの初期分泌が改善します。
- 魚類の多価不飽和脂肪酸は、食欲抑制に働くGLP-1を多量に分泌させます。
- 肉などに含まれる飽和脂肪酸や一価不飽和脂肪酸はGIPを分泌するため、内臓脂肪も蓄積しやすいとされます。
※インクレチンとは
栄養素の摂取により消化管から分泌され、インスリン分泌を促進する消化管ホルモンの総称です。よく知られているインクレチンとして、GLP-1とGIPがあります。GLP-1は主に小腸の下部から分泌されます。膵臓のβ細胞からの「インスリンの分泌」を促進するとともに、膵臓のα細胞からの「グルカゴンの分泌」を抑制します。GIPは主に小腸の上部から分泌されます。GLP-1と同じように膵臓に作用しますが、インスリンの分泌を促進する働きは、GLP-1の方が数倍強いとされています。
レプチンと肥満の危険性
レプチンは、脂肪組織から分泌される「肥満の抑制や体重増加の制御を示すホルモン」です。「胃から分泌され摂食亢進作用を示すグレリン」に拮抗して摂食抑制効果を発揮します。肥満になるとレプチンが効きにくい状態(レプチン抵抗性)になるため、食欲を抑えづらくなります。
血糖値をあげない食事のワンポイントアドバイス
- 朝昼夕の3食きちんと食べる
- ゆっくりよく噛み、腹八分目にする
- 野菜(芋類やかぼちゃは除く)、海藻、きのこをたくさん食べる
- 雑穀米、玄米、押し麦など、食物繊維が多いものを選ぶ
- 食材は大きめに切る
- 油の多い揚げ物、ラーメン、カレーなどに注意し、油の摂取量を減らす
- 特に動物性脂肪を多く含む食品をさける
- 油を使用しない料理方法(焼く、蒸す、煮る、茹でるなど)を活用する
- 薄味に慣れる(濃い味付けには好ましくない成分が多く含まれる)
- アルコール、菓子類、ジュースなどはカロリーの多い割に栄養バランスが悪いので控える
- 果物の過剰摂取に注意する
- 健康のためだと思っているものが本当は良くないものがある(食べ物、飲み物、健康食品、サプリメントなど)
- 夏場のスポーツドリンク、アイス類に注意する
- 冬場ののど飴に注意する
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