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健康サポート薬局の背景

平成26年9月15日現在、65歳以上の人口は3,296万人となり、高齢化が進んでいます。総人口に占める高齢者の割合は25.9%に上り、世界に例を見ない速度で進行しています。

 

団塊の世代が75歳以上となる2025年(平成37年)以降は、国民の医療や介護の需要がさらに増加することが見込まれています。そして、高齢者の多くが地域の身近な医療機関を受診したり、在宅医 療・介護を受けることが想定されています。

 

このため、厚生労働省は、地域包括ケアシステムを推進しています。地域包括ケアシステムとは、重度の要介護状態となっても、住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、住まい・医療・介護・予 防・生活支援が一体的に提供されるシステムです。

 

そして、薬剤師には、調剤や医薬品供給等を通じて、公衆衛生の向上・増進に寄与し、国民の健康な生活を確保する役割が求められています。しかし、患者本位の医薬分業になっていない、医薬分業のメリットが実感できていない等の問題が指摘されています。

 

患者さんが医薬分業のメリットを十分に感じられるようにするために、薬剤師が患者さんと継続的に関わり信頼関係を構築することが大切です。薬や健康について、いつでも気軽に相談できる薬剤師を「かかりつけ薬剤師」といいます。そして、かかりつけ薬剤師がその役割を発揮できるようにするため、薬局は業務管理や構造設備の確保、 品質管理等を適切に行うことが求めらます。

 

具体的には、薬や健康だけでなく、コミュニケーションスキルの研修を行うことや、薬剤師の担当制などの適切な勤務体制の確保、関係機関(医療機関等)との連携体制の構築。来局者が「かかりつけ薬剤師」に気軽に相談できるスペー スの確保、患者さんの医薬品ニーズに適時適切に対応できるようにするための必要な医薬品の備蓄・ 保管や品質管理等です。

 

こうした状況を踏まえ、「経済財政運営と改革の基本方針2015」(平成27年6月30日閣議決定)において「かかりつけ薬局の推進のため、薬局全体の改革について検討する」とされ、厚生労働省は、医薬分業の原点に立ち返り、「患者のための薬局ビジョン」を策定することとしています。

 

加えて、「日本再興戦略」(平成25年6月14日閣議決定)に、「薬局を地域に密着した健康情報の拠点として、一般用医薬品等の適正な使用に関する助言や健康に関する相談、情報提供を行う等、セルフメディケーションの推進のために薬局・薬 剤師の活用を促進する。」との内容が盛り込まれています。

 

また、「日本再興戦略 改訂2014」 (平成26年6月24日閣議決定)の中短期工程表においては、2015年度中に「充実した設備などを有する薬局を住民に公表する仕組み」を検討することとされました。

 

参考資料:健康サポート薬局のあり方について(厚生労働省)

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