第3条:良い睡眠は、生活習慣病予防につながります。

睡眠不足や不眠は生活習慣病の危険を高めます。また、肥満は睡眠時無呼吸のもとであり、睡眠時無呼吸は生活習慣病の原因になります。

睡眠不足や不眠は生活習慣病の危険を高める

睡眠時間が短かったり不眠があると、肥満、高血圧、耐糖能障害(血糖の異常)、循環器疾患、メタボリックシンドロームの危険が高まります。睡眠の問題を適切に対処することは、生活習慣病の発症や重症化の予防につながります。

 

睡眠不足によって生活習慣病が発症する機序は、次のように考えられています。

  • 睡眠の変調が、食事や運動などの他の生活習慣の乱れを惹起する
  • レプチングレリンなどの「食欲やエネルギーバランスに作用するホルモン」が影響を及ぼす
  • 視床下部-下垂体-副腎系のホルモンを介することなど
  • 睡眠障害と生活習慣病の両者に対して促進的に働く第三の因子が存在する可能性

睡眠時無呼吸は生活習慣病の原因になる

睡眠時に息の通りが悪くなって呼吸が止まる「睡眠時無呼吸症候群」は、治療しないでおくと高血圧、糖尿病、不整脈、脳卒中、虚血性心疾患、歯周疾患などの危険性を高めます。

 

睡眠時無呼吸でよく認められる症状は、大きないびきや日中の強い眠気、疲労感です。眠気がなくても睡眠時無呼吸を有する場合があります。また、特に女性では睡眠時無呼吸があっても、いびきがないことがあります。

 

睡眠時無呼吸を適切に治療すると、症状が改善し、高血圧や脳卒中の危険性も低下します。肥満の方は、減量が睡眠時無呼吸を改善させます。

 

さらに、喫煙飲酒が睡眠時無呼吸と関係するため、禁煙や節酒が睡眠時無呼吸の改善に有効です。

肥満は睡眠時無呼吸のもと

睡眠時無呼吸症候群は、睡眠時に気道(喉の空気の通り道)が詰まりやすくなると、発症したり重症化したりします。そのため、過体重や肥満は非常に危険です。

 

過体重は、脂肪組織の増加による「上気道の構造変化や狭窄」、それに加えて肥満に伴う「機能的残気量の減少」や、全身の酸素必要量の増加による「低酸素血症」などを起こす危険があります。

 

体重が1%増加すると、一時間あたりの無呼吸の回数が3%分上昇するという報告もあります。睡眠時無呼吸症候群の予防のためには、肥満にならないことが大切です。

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