第4条:睡眠による休養感は、こころの健康に重要です。

眠れない、睡眠による休養感が得られない場合、こころのSOSの場合があります。睡眠による休養感がなく、日中もつらい場合、うつ病の可能性もあります。

 

うつ病に限らず、睡眠時間の不足など「睡眠による休養感が得られなく」なると、日中の注意力、集中力の低下、頭痛、からだの痛み、消化器系の不調などが現れ意欲が低下します。

眠れない、寝ても寝たりない場合は要注意

「寝つけない」、「熟睡感がない」、「早朝に目が覚めてしまう」、「疲れていても眠れない」などの不眠症状がある場合、もしかすると「こころの病気」が潜んでいるかもしれません。

 

特に、次のような症状が続く場合には、うつ病の可能性があります。

  • 眠っても心身の回復感がない
  • 気持ちが重たい
  • 物事への関心がなくなった
  • 好きだったことが楽しめない

 

睡眠の質を評価する指標として、総睡眠時間睡眠段階出現率などの客観的指標があります。これらの客観的指標よりも、睡眠の満足度や主観的な睡眠時間、特に睡眠による休養感といった主観的指標の方が、こころの健康とより強く関連します。

 

例えば、寝ても寝たりない(睡眠による休養感の欠如)は、主観的な健康度を低下させます。また、睡眠による休養感が低い者ほど、抑うつの度合いが強いことが示されています。不眠は、抑うつを促進する危険性があります。

 

入眠困難、中途覚醒、早朝覚醒、日中の過剰な眠気のうち、入眠困難のみが、抑うつの悪化と関係するといった研究結果もあります。

睡眠による休養感とうつ病の可能性

うつ病になると9割近くの人が何らかの不眠症状を伴います。中でも、睡眠による休養感の欠如は、最も特徴的な症状と考えられています。また、不眠の症状がある人は、うつ病にかかりやすいといわれます。

 

うつ病は、憂うつ感、悲愴(ひそう)感、空虚感といった気分の落ち込みとともに、興味の減退、喜びの減少がほぼ一日中つづきます。さらに、しばしば食欲の低下、易疲労感、消化器症状、身体疼痛(痛み)などの身体症状、ほとんどの患者が何らかの睡眠障害を伴います。

 

うつ病患者に最も頻度の高い睡眠関連症状は、睡眠による休養感の欠如であり(68.7%)、その次には、入眠困難、中途覚醒、早朝覚醒などの何らかの不眠症状(50.6%)が続くことが示されています。

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