2型糖尿病治療の最新情報(糖とインスリン)


2型糖尿病治療の最新情報(糖とインスリン)
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2型糖尿病治療の最新情報(糖とインスリン)

2型糖尿病治療最新情報について、河盛隆造先生の講演「2型糖尿病治療の目指すところは」を参考にまとめを行います。

 

以下、2型糖尿病治療の最新情報(糖のながれ)のつづきの内容です。

 

 

【糖の利用と放出】
数時間食事を取らない状態(絶食)でも、基本的に血糖値は下がりません。

 

それは、全身の細胞が利用しているブドウ糖と、肝臓が放出するブドウ糖が釣り合っているためです。

 

 

人は寝ている間でも、1時間に最低でも10gのブドウ糖を使っています。

 

が5g、心臓の筋肉が5gです。

 

そのブドウ糖は、グルカゴンによって肝臓から放り出されています。

 

 

昼間は、筋肉がブドウ糖をたくさん利用するため、少なくとも300~500gのブドウ糖が利用されています。

 

これを炭水化物を食べることで補うのは、当然なのです。

 

 

よくある問題のケースとして、空腹時血糖が150mg/dlの状態を考えてみましょう。

 

この状態は、全身の細胞がブドウ糖を利用していないことが原因です。

 

肝臓にはブレーキがかからないので、ブドウ糖を放り出し、この差分によって、高血糖になっていると考えられます。

 

つまり、高血糖の方は脳や筋肉で、ブドウ糖が利用されていないのです。

 

 

【糖尿病治療の考え方】
糖尿病の治療とは、血糖値を下げることではなく、ブドウ糖を全身細胞有効利用させることが必要です。

 

インスリンが少なくなっているのであれば、分泌を高めたり、注射でインスリンを補う必要があります。

 

肝臓や筋肉でインスリンが働けるようにして、ブドウ糖を利用できるようにします。

 

この結果として、血糖値が下がります。

 

 

運動をしている時、筋肉は猛烈にブドウ糖を取り込んでいます。

 

そして、血糖値を一定に保つために、体はインスリンを出さないようにし、グルカゴンやカテコラミンが分泌され(運動ストレスでもあるため)肝臓からブドウ糖がでています。

 

ブドウ糖の取り込みと放出が一致しているため、低血糖にはなりません。

 

しかし、SU剤(インスリンを出させる薬)やインスリンの注射を打っている場合は、食前に運動すると低血糖になってもおかしくありません。

 

 

【血糖値とインスリン】
体重60kgの人は、真夜中に1単位のインスリンが分泌されています。

 

このインスリンは肝臓で半分に分解されて、残りの半分は全身に分配されます。

 

 

血中インスリン値の正常値は、 2~10μU/mLです。

 

もしも、早朝空腹時の血中インスリン値が、15μU/mL以上を示す場合は、インスリンがしっかりと働かない状態(インスリン抵抗性)だと考えられます。

 

つまり、肝臓や筋肉、脂肪組織においてインスリンが働かず、血管の中で余っている状態です。

 

例:空腹時血糖120mg/dl、早朝空腹時の血中インスリン値20μU/mLの患者さん
「あなたは肥満なので、インスリン抵抗性ですよ。」

 

と言っても患者さんは理解できません。

 

 

「あなたは、真夜中に普通の人の4倍インスリンが出ています。

 

しかし、かろうじて筋肉や肝臓がブドウ糖を使っているから、空腹時血糖が120mg/dlですんでいます。

 

そんなに膵臓をオーバーワークにさせていたら、へばってしまいますよ。

 

今のうちに痩せましょう。」

 

と伝えると、患者さんも理解し、痩せようと思うでしょう。

 

食事をする場合、体重60kgの人であれば、最初の10分で4単位、次の20分で4単位、その後ゆっくり6単位のインスリンが分泌されます。

 

つまり、1回の食事で合計10~20単位のインスリンが分泌されています。

 

24時間にわたり、(基礎分泌が)25単位でているので、1日では50~100単位のインスリンが分泌される計算です。

 

痩せており、さらにジョギングをしているような人であれば、ジョギングによって糖が使われますので、1日のインスリン分泌は20~30単位あれば十分足ります。

 

しかし、インスリンが100単位出ている人もいれば、肥満で200単位出ている人もいるのです。

 

最初のうちは、これでもなんとかなりますが、その状態が続くと膵臓はへばってしまいます。

 

膵臓がへばると、インスリンの注射で補わなければならなくなるのです。

 

 

糖尿病の治療は、インスリンの「足らない時間」「足らない量」を十分に補い正常血糖応答(正常な血糖のながれ)にもどすことが目的です。

 

正常血糖応答にもどすことができると、枯渇していた「からだのインスリン分泌」が回復し、低下していた「インスリンの作用」が高まってきます。

 

 

心筋梗塞などの病気で入院し、インスリンでの血糖コントロールが行われた場合、「からだのインスリン分泌」が回復し、退院した後に「薬の量がぐっと減るケース」は山ほどあります。

 

 

つづきは、2型糖尿病治療の最新情報(糖尿病の進行)です。


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