[広告]

※アフィリエイト広告を利用しています

健康日本21|第3次国民健康づくり対策

21世紀のわが国を、すべての国民が健やかで心豊かに生活できる活力ある社会とするため「健康寿命の延伸、生活の質(QOL)の向上、壮年期死亡の減少」を実現するための対策です。一次予防を重視し、「健康づくり支援のための環境整備」、「目標との設定と評価」、「多様な実施主体による連携の取れた効果的な運動の推進」という基本方針があります。

 

①健康づくりの国民運動化
②効果的な健診・保健指導の実施
③産業界との連携
④人材育成(医療関係者の資質向上)
⑤エビデンス(根拠)に基づいた施策の展開

健康日本21の目標

「循環器疾患への危険因子」低減の効果

平均血圧が2mmHg低下

脳卒中死亡者が約1万人減少する
ADL低下させるものの発生が約3,500人減少する
循環器疾患全体による死亡者が約2万人減少する

成人の喫煙率5%低下 血圧2mmHg低下に相当する変化が、脳卒中、虚血性心疾患、循環器疾患において見込める。
男性の血清総コレステロール値5mg/dL減少 血圧2mmHg低下に相当する虚血性心疾患の減少が見込める。

 

健康日本21の目標設定分野(9分野)
生活習慣:栄養・食生活、身体活動・運動、休養・心の健康づくり、タバコ、アルコール
生活習慣病:歯の健康、糖尿病、循環器病、がん

 

身体活動・運動
生活習慣発症の予防効果があり、健康づくりの重要な要素です。日常生活における身体活動に対する意識、運動習慣等について、成人及び高齢者に分けて目標設定しています。

 

身体活動
人が体を動かすことを総じて「身体活動」といいます。骨格筋の活動によって、安静時よりも多くのエネルギー消費を伴う活動です。ジョギングやテニスなど余暇時間に計画的に行う「運動」と、日常生活上必要な家事や階段昇降などの「生活活動」を合わせたものが「身体活動」です。

 

成人の目標
・日常生活における歩数の増加
 目標値:男性9,200歩、女性8,300歩
 注)1日当たり平均歩数で1,000歩、歩く時間で10分、歩行距離で600〜700m程度の増加に相当
 基準値:男性8,202歩、女性7,282歩(平成9年度国民栄養調査)
・運動習慣者の増加
 目標値:男性39%、女性35%
 基準値:男性28.6%、女性24.6%(平成9年度国民栄養調査)
 注)運動習慣者:1回30分以上の運動を、週2回以上実施し、1年以上持続している人

 

高齢者の目標
・日常生活における歩数の増加
 目標値:男性6,700歩、女性5,900歩
 注)1日当たり平均歩数で1,300歩、歩行時間で15分、歩行距離で650〜800m程度の増加に相当
 基準値:男性 5,436歩、女性 4,604歩(70歳以上)(平成9年国民栄養調査)
・外出について積極的な態度をもつ者の増加
・何らかの地域活動を実施している者の増加

健康日本21の中間評価

平成19年、健康日本21の中間評価を行いました。肥満者の割合、野菜摂取量、日常生活における歩数において、健康日本21策定時と比べ「改善してない項目」や「悪化している項目」がありました。

 

栄養・食生活
中高年男性の肥満割合が増加傾向にあり、30代から60代の男性の約3割が肥満です。食塩摂取量や脂肪エネルギー比率は若干の低下が見られました。しかし、野菜摂取量が1日350グラムという目標に向けた増加傾向ではありませんでした。

 

身体活動・運動
日常生活における歩数は「2010年までに男性9,200歩、女性は8,300歩」といった目標がありましたが、策定時に比べむしろ減少しています。運動習慣者の割合は、男女ともに10代から50代ぐらいまでは、必ずしも増加しているわけではありません。

 

これらの結果から、「メタボリックシンドローム」に着目し、健康寿命の延伸、医療費の適正化を目指す方向性を取り入れました。まず、国民の内臓脂肪型肥満の減少を目標とし、「運動習慣の定着、食生活の改善等」に向けた普及啓発、健診・保健指導の重点化・効率化を行います。そうすることで、高血糖、高血圧、高脂血症状態の者の減少から、虚血性心疾患、脳卒中等の重症化、合併症の発症抑制が期待できるためです。

健康日本21の最終評価

平成23年、健康日本21の最終評価を行いました。その結果は次の通りです。(一部抜粋)

 

主な目標項目

目標値に達した

・メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)を認知している国民の割合の増加
・外出について積極的な態度をもつ人の増加[運動習慣者の割合]
・80歳で20歯以上、60歳で24歯以上の自分の歯を有する人の増加[自分の歯を有する人の割合]

目標値に達していないが改善傾向にある

・食塩摂取量の減少[1日当たりの平均摂取量]
・意識的に運動を心がけている人の増加[意識的に運動をしている人の割合]
・喫煙が及ぼす健康影響についての十分な知識の普及[知っている人の割合]
・糖尿病検診の受診の促進[受けている人の数]
・がん検診の受診者の増加[検診受診者数]

変わらない

・自殺者の減少[自殺者数]
・多量に飲酒する人の減少[多量に飲酒する人の割合]
・メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の該当者・予備群の減少
・高脂血症の減少[高脂血症の人の割合]

悪化している

・日常生活における歩数の増加[日常生活における歩数]
・ストレスを感じた人の減少[ストレスを感た人の割合]

 

 


出典:国民健康・栄養調査(日本薬剤師会資料)

 


出典:国民健康・栄養調査(日本薬剤師会資料)

 

男女とも、60歳以上の運動習慣者(※)は増加しています。しかし、60未満で運動習慣者は増加しておらず、特に女性では減少傾向です。特に60歳未満の就労世代の7〜8割が、運動習慣を有していません。
※運動習慣者の定義:1日30分以上の運動を週2日以上実施し、1年以上継続していること。

 

運動の積み重ねが大切
歩行運動でのカロリー消費は、1000歩で約30kcalです。あまり多いように感じないかもしれませんが、毎日の積み重ねが大切です。1日1000歩増やしてあるくと、年間で365000歩増えます。カロリーになおすと、1年で10950kcalの消費できるということです。脂肪1gを燃焼させるのに7.5kcal必要ですので、「1日1000歩の歩行運動は、1年で約1.5kgの脂肪を減らすこと」につながります。

 

 

身体活動・運動の報告
・意識的に運動を心がけている人の割合が増加したが、運動習慣者の割合はからなかった。運動の重要性は理解しているが長期にわたる定期的な運動に結びついていないと考えられる。
・日常生活における歩数については悪化した。歩数は余暇時間に行われる運動と比較的活発な生活活動を合わせた「身体活動」の指標であり、歩数の減少は身体活動量が減少していることを示唆している。その原因として運動以外の生活活動量の減少が考えられる。
・高齢者については、外出に積極的な態度をもつ人の割合、何らかの地域活動を実施しているものの割合は、いずれも目標を達成した。

 

 

今後の課題
歩数の減少は肥満や生活習慣病発症の危険因子だけでなく、高齢者の自立度低下や虚弱の危険因子であるなど、最も懸念すべき問題であり、早急に重点的な対策を実施する必要がある。
・運動基準・指針改定、すこやか国民生活習慣運動、特定保健指導などを通して、日常生活における「歩数増加のためのための支援」を特に強化することが望まれる。
・運動・身体活動の重要性を理解しているが、行動に移せない人々に対するアプローチを行う必要がある。具体的には、個人のおかれている環境(地理的・インフラ的・社会経済的)や地域・職場における社会支援の改善などがあげられる。

 

参考:健康サポート薬局<知識習得型研修>日本薬剤師会

 

関連ページ



[広告]
[広告]


[広告]